歳だからこそ、好きなことを、心ゆくまで。シニア向けに機会を提供するサービスが提供されている。70歳以上では旅行の回数が減るとの調査結果もあり、旅行業界としては時間的・金銭的余裕のある70代以上にきっかけを提供し、「高齢者だけど高齢者らしくない」提案で旅行業界の柱になってもらう狙いだ。
「もう歳だから」こそハワイへ
ハワイ州観光局は2026年4月、シニア層を対象としたハワイへの観光促進・活性化を目的とした新プロジェクト「65歳からのハワイ」を始めた。「もう、歳だから。あれやめとこう。これやめとこう。なんて諦めるのを、もうやめとこう。歳だからこそ、好きなことを、心ゆくまで。」とし、プロジェクトムービーではシニアがサーフィンやジップラインを楽しみ、応援団長である俳優の寺島進がマラサダを頰張るという、生き生きとした表現でプロジェクトを紹介している。動画でも、「もう、歳だから」とネガティブな表現からスタートするが、そこから明るくポジティブな表現に切り替わり、「楽しもう、歳だから。」と新たな挑戦や体験を例示。年齢を重ねたシニア層だからこその楽しみ方を提案している。
ハワイ州観光局の動画。寺島進がハワイでマラサダを頬張るシーンを描いた
これまで多くの日本人が訪れ、新型コロナの感染が拡大する前の2019年の大型連休などには1日5000~7000人が日本からハワイに到着し、航空各社が便数を増やしたり、機材の大型化を図ったりするほどだった。しかし、感染拡大後は日本からの直行便も一時運休。ハワイのメイン産業である観光業も大きな打撃を受けた。
コロナの感染拡大で落ち込んだ観光を盛り上げるべく、ハワイ州は日本での広報活動を展開するなど様々な企画に取り組んできた。その結果、2025年の日本人ハワイ渡航者数は73万1922人と前年を上回り、回復基調に。このペースを保つべく、新たな旅のきっかけづくりとして企画したのが、シニア層に訴求するプロジェクトだ。
ターゲットは「アクティブシニア」
高齢化が進む日本で、中でも日常生活に支障のない「アクティブシニア」が約8割を占めるとされており、自分らしい時間の使い方や体験を重視する傾向が見られるという。また、2026年に65歳を迎える世代は、1980年代の海外旅行黄金期を若い頃に経験した世代でもあり、ハワイへの強い憧れを持つ世代として着目した。

