LINEヤフーの出澤剛社長は11月5日の決算説明会で、サイバー攻撃などの脅威が疑われる事象の検知件数が約2倍に増加していることを明らかにした。AIの進化に伴い、攻撃の増加や手法の高度化が進んでいるとの認識を示し、AIを活用したセキュリティ診断や投資の拡大など、対策を一段と強化する方針を改めて強調した。
同社は2023年に不正アクセスによる大規模な情報漏えい問題が発覚し、総務省から行政指導を受けた経緯もある。2026年7月には再発防止策の実施報告を完了したが、AIによるサイバー攻撃の高度化という新たな脅威への対応が求められている。
11月5日の決算説明会に登壇した出澤剛社長
「ここ3カ月ぐらい」で攻撃増加 AIの進化に強い危機感
LINEヤフーが11月5日に発表した2026年度第2四半期(7~9月)の決算は、売上収益が前年同期比11.5%増、調整後EBITDAが20.9%増と増収増益となった。LINE公式アカウント広告や有料会員サービス「LYPプレミアム」の成長などが業績を押し上げ、同サービスの直接会員数は1090万人に達した。
こうした会員数の拡大を受け、決算説明会では利用者の個人情報を守るためのセキュリティ対策について質問が出た。具体的には、サイバー攻撃への防御体制や、システムの脆弱性を調べるホワイトハッカーなどの専門部隊の有無について説明を求められた。
これに対し出澤社長は、過去の経験も踏まえ、セキュリティ対策を経営上の最優先課題に位置付けていると説明。これまでも継続的に対策を強化してきたことを強調した。
一方、足元ではAIの進化に伴い、サイバー攻撃が急増しているという。出澤社長は、特に直近3カ月から半年ほどで攻撃件数が大きく増えていると説明。会見では、攻撃や脅威の可能性がある事象の検知件数が約2倍に増加していることも明かした。ただし、比較期間は厳密に示しておらず、同社の認識に基づく概数として説明している。
こうした状況を踏まえ、同社でもセキュリティ投資を拡大していると説明。出澤社長は、LLMの性能向上に伴って攻撃側の手法も一段と高度化する傾向が、しばらく続くとの見通しを示した。
