玄侑 宗久(作家、福島県福聚寺住職)/イラスト:田中ひろみ
仏教をレジャーとして楽しむ仏教女子会「丸の内はんにゃ会」のメンバーは禅僧の暮らしや考え方に興味津々。そんな彼女たちが玄侑さんに、日頃から抱いている疑問20問をぶつけてみた。
Q1 禅寺の住職になっていちばん良かったと思うことはなんですか。
A 一生、修行できますよ。あなたも如何?
Q2 クリスマスはどう過ごしていらっしゃいますか。坐禅の集中力がそがれるようなことはありますか。
A 毎年十二月二六日を「親と子の餅つき大会」にしておりますので、その準備に忙殺されています。もしかすると無意識のうちに、クリスマスが気にならないよう、その日にしたのかもしれませんね。でも、檀家さんがケーキを下さることもあり、それはありがたく頂戴しています。
Q3 クリスマス以外でも忙しくて坐禅に集中できないときはありますか。また、それはどんなときですか。
A そういうことはあまりありませんが、坐禅する時間がとれないことはよくあります。ただ、歩行中でも移動中でもパソコンに向かう合間でも、簡単な瞑想はできます。
Q4 ふだんは、坐禅や作務(掃除や食事の支度)などをどのように行っていらっしゃいますか。平均的な1日のモデルパターンを教えてください。
A たとえば2012年も終盤を迎えた本日。午前中法事二件。来客応対、葬儀のお知らせ受け、卒塔婆など書き物を終えると午後二時。それからようやくPCに向かい、メール処理の後、この原稿を書いています。夕方はお通夜があるため、その前にお風呂に入って頭を剃ります。正直なところ、毎日スケジュールは違いますが、午前中はほとんどお寺の仕事です。
田中ひろみさんと丸の内はんにゃ会のみなさん
続きは20日(木)に掲載予定です。
玄侑 宗久(作家、福島県福聚寺住職)
1956年福島県三春町生まれ。慶應義塾大学中国文学科を卒業後、さまざまな職業を経験してから京都天龍寺専門道場に入門。三春町福聚寺の副住職をしながら書いた『中陰の花』で第125回芥川賞を受賞。花園大学国際全学科および新潟薬科大学応用生命科学部の客員教授。福島県立医科大学の経営審議委員、東京禅センター理事、東日本大震災復興構想会議委員、原発で被災した子どもたちを支援する「たまきはる福島基金」の理事長でもある。禅についてわかりやすく解説した著書多数。
イラスト:田中ひろみ
丸の内はんにゃ会代表。はんにゃ会へは創立当初から携わり、現在は3代目の代表として活動。仏像巡りから荒行まで精力的に体験している。女流仏像イラストレーター・ライターとしても活躍中。奈良市観光大使。『美しき仏像』(ぶんか社)、『田中ひろみの勝手に仏像ランキング』(メディアイランド)『クイズで入門 日本の仏像』(講談社+α文庫)など、著書多数。
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