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「広める価値ある広告」 – TED2012が発表

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「TED2012」――学術・エンターテインメント・デザイン分野の国際カンファレンスが米カルフォルニア州・ロングビーチで開幕し、「Ads Worth Spreading(伝え広める価値のある広告)」10点が発表された。日本企業の広告からはNTTドコモの「森の木琴」、マツダの毛籠勝弘執行役員が同社の挑戦を続ける姿勢を語る「Defy Convention」の2点が挙げられた。1984年から毎年、各界の第一線の講演者を揃えて講演会を開いてきた同カンファレンスの理念「Ideas Worth Spreading(広めるべきアイデア)」に基づく取り組みの一環。視聴せずにはいられず、学びがあり、周囲と共有したくなる広告から、オンラインビデオを用いたストーリーテリングの理想像を探求する目的もあるという。同カンファレンスは、2006年から優れた講演の内容を無料で動画配信している。

YoouTube上でのエントリーを受け付けたほか、25の広告会社の協力を受け、TED講演者などからなる選考チームを結成。「Talk」「Social Good」「Cultural Compass」「Creative Wonder」「Brand Bravery」「Storytelling」の6つをテーマに掲げ、30秒のスポットCMから5分におよぶミニ・ドキュメンタリーまでを選出した。

選出された10点の広告は以下の通り。

01 仏テレビ局CANAL+「The Bear」

情熱溢れる映画監督を演じるクマの敷皮。彼が監督を務められる理由はCMの最後に明かされ、ブランドのタグライン「The more you watch CANAL+ the more you love cinema.(CANAL+を見れば見るほど、映画がもっと好きになる)」が描き出される。

02 NTTドコモ「森の木琴」

http://www.nttdocomo.co.jp/corporate/ad/tvcm/110520_01.html

03 米文具・日用品大手ニューウェル・ラバーメイド 油性マーカーSharpie「Start with Sharpie」

マレーシア・ジョホールバル出身のイラストレーター Cheeming Boeyさんが、「Sharpie」で絵を描いて、使い捨てのカップがアート作品に昇華されるさまを切り取った。

04 カナダ・乳がん啓発チャリティー団体RETHINK BREAST CANCER「Your Man Reminder」

見目麗しい(?)男性が定期的に、自分でできる乳がんチェックを促してくれるスマートフォンアプリ。

05 マツダ「Defy Convention」

06 マイクロソフト XBOX「The Kinect Effect」

http://youtu.be/T_QLguHvACs

07 レストランチェーン チポートレ・メキシカングリル「Back to the Start」

素材に気を配る同レストランの理念を3Dアニメーションで描いたCM。カントリー歌手ウィリー・ネルソンが歌うコールドプレイ「The Scientist」に乗せて、次第に工業化されていく小さな家族経営の牧場。しかし牧場主は途中で過ちに気づいて、すべてを元に戻していく。

08 ロレアル・パリ「Aimee Mullins」

09 プルデンシャル生命保険「Day One: Linda」

10 チュニジア NGO団体ENGAGEMENT CITOYEN「The Return of Ben Ali」

「奴はいつ戻ってきたんだ!?」――首都チュニスに突如として掲げられた、ベン=アリー前大統領の巨大な肖像に戸惑う人々。長期独裁政権に対する反政府でもが広まったジャスミン革命はいまだ記憶に新しい。不満は根強く、前大統領の不遜な顔に怒りを隠さない市民も多い。うねりは次第に大きくなり、肖像を剥がしにかかる人々、その下から出てきたのは…。チュニジアのNGO団体による民主投票を促すキャンペーン。現れたメッセージは「気をつけろ、独裁者は再び姿を現す。10月23日、投票へ」。