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コラム

電通デザイントーク中継シリーズ

朴 正義×野添剛士×中村洋基「IoTはエージェンシービジネスとテレビをどう変えるのか?」【後編】

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【前回の記事】「朴 正義×野添剛士×中村洋基「IoTはエージェンシービジネスとテレビをどう変えるのか?」(前編)」はこちら

IoT(モノのインターネット)という言葉が注目を集め、デジタルクリエイティブがその姿を大きく変えている。テレビ×インタラクティブをテーマに、4年で20以上の参加型番組企画を実現してきたバスキュールでは、日本テレビとスマートテレビ、スマートデバイスを事業のメーンフィールドにする合弁会社「HAROiD」を設立。博報堂からスピンオフして生まれたクリエイティブエージェンシーSIXでは、次世代型スピーカー「リリックスピーカー」を開発し、今年の SXSWエンターテインメント・コンテンツテクノロジー部門で、アジア初の受賞企業に選出された。インタラクティブ、デジタルを起点にしたクリエイティブを追求してきたPARTY でも、IoTコンテンツの開発が進行中という。従来のクライアントワークにとらわれず、新しい取り組みを進めるデジタルクリエイティブ3社からバスキュール朴正義氏、SIX野添剛士氏、PARTY中村洋基氏の3名が集まり、IoT 時代のクリエイティブについて話し合った。

テレビを情報端末と捉えて新しい広告サービスを発想する

中村:HAROiDでは、この先どんな事業を展開していく予定ですか?

朴:今、ネットに接続しているテレビは20~30%といわれていますが、近い将来、50%を超えるのは間違いないと考えています。テレビ番組を見ている時に、子どもが駅にSuicaをかざしたことが表示されたり、宅配便があと10分で届くと表示されたり。テレビがネット接続されていれば、スマートフォンのようにパーソナルな情報をタイムリーに表示することが可能になります。料理番組とテレビ通販をセットにして「みんなでカレーを食べよう」という企画にすれば、事前に通販で材料を注文してもらい、当日は番組を見ている1000万人が同時にカレーを作って食べる、なんてことも考えられます。テレビをネット接続された大画面情報端末として捉えると、色々なサービスが考えられるんです。HAROiDではそういった時代を見据えて、ショーケースになるような企画を準備しています。15秒のテレビCMとは違う、インタラクティブな新しい広告サービスを実現できればと考えてます。

中村:バスキュールはこれまでテレビと一緒にやってきた実績があるからこそ、こうやって周りを巻き込めていけるんでしょうね。

野添:こういう座組みを作ったことで、これまでよりも実現の敷居は下がりそうですか?

朴:テレビ番組って、たいてい直前で制作を始めるので、放送2週間前になってもワードかパワーポイントの企画書しか存在しない、ということが多々あります。当初はそれに本当に驚いて。以前、テレビとスマホを連動させた生放送番組を企画した時は、やりたいことを説明するために、60分のVコンを作ったんですが、逆にテレビ業界の人にびっくりされて、そのVコンが出回ったほどでした(笑)。スケジュールが確保できないと、やりたいと言っても実現できないので、こちらである程度のフレームワークを用意して、「安く」「早く」インタラクティブな企画が実現できるようにする。そうすれば実現可能性も高まり、僕らのようなインタラクティブ業界の人間にもチャンスが増えるんじゃないかと思ってやっています。

次ページ 「ビジネスをスケールさせられる人材がもっと必要だ」へ続く