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スマホで日本酒輸出拡大狙う 金沢の印刷会社とADKがタッグ

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日本酒の輸出額が年々増える一方、蔵元は毎年40社のペースで廃業している。こうした現状を打破しようと、スマートフォンで日本酒をプロモーションするプロジェクトが始まった。経済産業省の委託事業で、運営はアサツー ディ・ケイ。22日に公開したiPhone向けアプリと公式Webサイトは、高桑美術印刷(金沢市)が開発した。事業予算は2700万円。

日本の銘酒を扱う10の蔵元が、海外向けの情報発信に乗り出した。「獺祭」の旭酒造​(山口・岩国市)もそのひとつ。旭酒造は10月、資生堂がグローバルブランドを披露したパーティで「獺祭」を提供するなど、海外向けのプロモーションにも積極的だ。

第一弾として、「獺祭」の旭酒造や「蓬莱泉」の関谷酒造、「出羽桜」の出羽桜酒造など10の蔵元が情報配信を始めた。​

2014年の清酒の輸出額は115億700万円で、前年比9.3%増だった。15年1~8月累計は90億円を超え、前年比25%増で推移している。しかし蔵元側は、満足に対応できていないのが現状だ。このギャップを突いて、「Japanese Sake」とうたった中国産の酒が出回るケースも出てきた。

アプリやWebサイトでは、蔵元から提供された情報を翻訳して紹介する。アルコール度数や酒米などの基本情報のほか、味わいや香りも客観的に比べられるようにした。海外の販売業者や料飲店の仕入れ担当者に正確な情報を伝え、蔵元に発注しやすくするのが目的だ。紹介文には、酒類総合研究所が作成した、日本酒を説明するための標準的な英語表現を採用した。順次、英語以外の言語にも対応する。

委託期間が終わる2016年3月以降も、独立事業として運営する予定。高桑美術印刷は日本酒のラベルの印刷で7~8割のシェアを持っており、ほかの蔵元にも参加を呼びかける。動画を用いて、酒造りにまつわるストーリーやお勧めの飲み方などを紹介する追加メニューも数千円~数十万円で提供する。

日本酒の情報を表示するiPhoneアプリは22日、日本食の展示会「Oishii Japan」(会場=シンガポール)で海外業者らに披露された。期間は24日まで。昨年の来場者数は1万100人だった。日本酒の輸出先の4割弱は米国で、2014年の輸出額は41億2800万円に上る。次いで香港。以下、韓国、台湾、中国、シンガポールと続く。


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