【前回の記事】「市場拡大のために、広告では届かない層へのクチコミが必要だった(日本ケロッグ)」のはこちら
今回のゲスト
五味田 里美(ごみた さとみ)。日本ケロッグ合同会社 マーケティング部 グループマネージャー
理系出身ながらマーケティングの面白さに目覚め、外資系メーカーにて、消費者調査、ブランドマーケティング、新ブランドのローンチ等を経験する。シリアル好きが高じて、2011年に日本ケロッグに入社。現在は、コーポレートブランドであるケロッグ、オールブランやフルーツグラノラをはじめとする大人向けブランド、フロスティやココなどの子供向けブランド全般のブランドコミュニケーションを担当。
100周年キャンペーンで、売り上げ前年比25%アップ
藤崎:今年2月の日経MJの記事によると、アンバサダープログラムを含む100周年キャンペーンで売り上げが上がったそうですね。
五味田:対前年比で「オールブラン」シリーズ全体の売り上げが7%アップしました。中でも商品ヒーローとして押している「オールブラン ブランフレーク フルーツミックス」は対前年比で25%の伸びになりました。
藤崎:それはすごいですね。確か昨年はテレビ番組で「オールブラン」シリーズが紹介されて、一時期、購入者が殺到して品切れになりましたよね。
五味田:あれはまったくの偶然でした。昨年は「オールブラン」シリーズが誕生して100周年ということで、360度プロモーションを年頭からスタートした影響もあり、ずっと2桁で伸びていたのですが、テレビ番組での露出が重なって「オールブラン ブランフレーク フルーツミックス」の品切れが発生してしまい、最終的には1桁で着地しました。
藤崎:前年比アップには、テレビ番組での露出が大きかったということでしょうか。
五味田:それもあると思いますが、品切れでぽっかり2、3カ月あいてしまいましたので、瞬発的に売れたのではなく、年間を通して売れたということだと思っています。またこうした売れ筋商品で品切れ期間があった状況を考えれば、最終的に「オールブラン」シリーズの7%アップは、かなり良い成果が出たと思っています。
藤崎:それは良かったですね。
五味田:アンバサダープログラムが効果を発揮して、「オールブラン オリジナル」が抱えていた「おいしさ」に対するバリアに対しては、食べてみれば意外とおいしい、というクチコミが起きました。「オールブラン ブランフレーク フルーツミックス」は「最近はこういうおいしい商品もあるんだよ」というクチコミを醸成することができ、それが結果的に数字にも結びついたと分析しています。
藤崎:特に「オールブラン ブランフレーク フルーツミックス」の対前年比25%アップは素晴らしいですね。
五味田:「オールブラン ブランフレーク フルーツミックス」も新商品ではないので、トレンドとして多少は下がってしまう傾向もある中で、ここまで数字が伸ばせたのはとても良かったと思っています。
「オールブラン」シリーズの中でも「オールブラン ブランフレーク フルーツミックス」は、今、イチオシの商品としてアンバサダーさんにお伝えしており、クチコミもそれなりに大きなボリュームを占めています。そうしたアンバサダーさんの後押しもあり、売り上げが25%アップしました。この数字は、弊社としては新しい試みとして始めたアンバサダープログラムも貢献していると考えています。
藤崎:いろいろな要素があったとは思いますが、アンバサダープログラムが実際の売り上げに貢献できたことが証明されたよい事例だと思いました。
ところでアンバサダープログラムの目標設定は、どんな風に決めたんですか?
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