イノベーションとリノベーション
当コラムの
でも書いたように、世の中には「イノベーション」のビジネスと「リノベーション」のビジネスがあるように思う。数年前のグーグルは矢継ぎ早に新しい広告プロダクトを世に送り込んでいた。その中の一つ、米国にて準備を進めていたマス4媒体をオンラインで買える仕組みと出会ったとき、「新しい広告ビジネス」にも同じように二種類あるということに気づいたのだった。
今はテレビCMの販売システムの部分だけが細々と残り、雑誌・新聞の広告枠のオンライン販売の仕組み“Google Print Ads” や、ラジオの広告枠販売の仕組み“Google Audio Ads”(この仕組みはdMarkという企業を買収することで獲得した)については打ち切り状態になっているので、日本国内でこれらの仕組みを目にした人は極々少数。しかしながら米国のマウンテンビュー本社やニューヨークにある広告ビジネスのヘッドクォーターに、日本の新聞社の広告担当の方や駐在員の方、また代理店からもお呼びし、ご意見を賜ったことがある。(各種ハードルはある、としながらも)非常に高い評価を得ていたように思う。
Print Adsの仕組みについて説明しておこう。この仕組みは通常のグーグルのオンライン広告のプラットフォームである「アドワーズ」と「アドセンス」と同様に、広告主側の仕組みと媒体社側の仕組みで構成されていた(注:アドワーズが検索連動型広告で、アドセンスがコンテンツ連動型広告、という誤った解釈を未だによく見かけるが、アドワーズは広告主側が利用する“広告出稿”のための仕組みを指し、アドセンスは媒体社側が利用する“広告枠を管理する”ための仕組みである)。