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災害から復興段階へ インターネットはどう使われるか

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ネットへのアクセス、震災経て増加傾向

未曾有の大災害から2週間以上経過した。被災地域を中心に、インフラ・ライフラインをはじめ、ありとあらゆる領域においてまだまだ課題を多く抱えているが、インターネットやソーシャルメディアの領域においては、厳しい状況の中においても、復興に向けた兆候が少しずつではあるが現れていると思う。

筆者のヒアリングによると、3月21日の週のインターネットの動きは震災前の3月6日の週と比べて、概ね伸びているという。被災地からのアクセスも、筆者の予想に反して、ほぼ震災前の水準に復帰あるいはそれ以上に伸びているようだ。

唯一、停滞しているのがブログメディア。これはアクセスの多いタレントや著名人を中心に、被災者への配慮や番組編成の変更などに伴い発言が減っていることに起因するものだろう。ただし、その中でも実際に被災した芸能人や、繰り返し流されるAC広告の出演者などのブログへのアクセスは急増しているようである。

復興に向けて「笑顔になれるコンテンツ」が重要に

インターネットは、一部の広告などを除きテレビや交通広告のように自粛している度合いが少ない。それは、消費者が自らアクセスしに行くため、意図しないコンテンツを目にする可能性が少ないからである。特に音声に関しては、インターネットでは希望者だけが聞くような仕組みが普及しているので、繰り返し同じものを耳にするようなことは無いといっていい。また、店頭で売り切れが続出している飲料や家電もインターネットでの販売が大幅に伸びている。宅配配送網が復旧するにつれて、全国の在庫を活用でき、時間や場所にとらわれないネット通販のメリットも大きくなってくるだろう。

このように全般的に伸びているインターネットの中でも特につぶやき系の「アメーバなう」や「mixi(ミクシィ)ボイス」は大きな伸びを示しているようである。これは、実際の友人関係すなわち「ソーシャルグラフ」を活用したコミュニケーションであるとともに、メールほど直接に相手の時間を拘束しないという点が挙げられるようだ。また比較的震災の影響が少なかった地区でも、交通事情が不安定だったり計画停電などがあると外出を控えるなど、それもインターネットの利用を促している要素なのではなかろうか。

そして筆者が強く感じるのが、震災前の日常や希望、笑顔になるようなコンテンツに対する需要である。報道も暗いニュースが多く、繰り返し同じ内容が流れるため特に小さい子供への影響が懸念されるが、情報の内容を主体的に取捨選択できるインターネットは特にこの面で貢献できる可能性が大きいと考えている。

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