3月11日の東日本大震災発生直後、企業の宣伝部門では、広告活動の自粛をどのように判断し、またその再開にあたっては、何に悩みを抱えたのか…。
雑誌「宣伝会議」では4月15日、エステーの宣伝部長 鹿毛康司氏、王子ネピアの商品企画部部長 今敏之氏、ガリバーインターナショナルのマーケティングチーム・リーダー・北島昇氏の3名を招いて「価値観が変化した時代の広告表現、企業コミュニケーション」をテーマに緊急座談会を開催した。
震災後の広告、またその表現方法とは
座談会では「社会の心情に配慮するあまり、事業ドメインに関わりのないところで、震災に対してお悔やみや応援のメッセージを入れた広告には違和感を抱くこともある」との指摘もあった。
それでは、深い悲しみに包まれた今の日本の心情に配慮しつつ、自社の商品や事業ドメインをしっかりと伝える表現とはどのようなものか。3名からは様々な意見が出された。
当日は、座談会開催の前週にCM撮影のため、ポルトガルに出張していた鹿毛氏から、仮編集からあがってきたばかりのCMが持ち込まれ、議題として投げかけられた。これまでインパクトの強いCMで話題になってきたエステーの「消臭力」の震災後、初めて作られたCMである。
そこで、改めて意識されたのは企業ドメインに基づいたCMであること(写真下参照)。議論を経て3人からは「自社の商品が、社会に貢献するものだと思って事業を行っているわけで、社会の価値観や気分がどうなっているか以前に、そもそもの志に立ち返って、それを伝えていくしかない」との意見がだされた。
本、座談会は4月30日発売の宣伝会議 2011年 5/1号に掲載(全4ページ)の予定。さらに同じ特集内で、楽しさの提供が使命のエンタテインメント・飲食産業のこれからの広告・プロモーションのあり方についての担当者座談会も開催、掲載している。
エステーの「消臭力」、新CM
震災後、初めて制作されたエステーのCM
「皆さんが今、どんな気持ちになっているかはわからないけれど、でも傷ついていることは間違いない。目に留まったのが震災被害を伝える週刊誌で見た、子どもたちの顔。エネルギーがあった。そこで子どもたちに、エステーの「消臭力」の歌(=日常)を歌ってもらう企画を思いついた。企業ドメインに基づいたCMにもなると考えた」
と鹿毛氏はCMについて説明した。
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