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コラム

高広伯彦の“メディアと広告”概論

ソーシャルメディアの時代なので、クチコミマーケティングを再考しよう:5

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負のクチコミマーケティング

オーガニックに順調に拡がっていくものが「正のクチコミマーケティング」だとすると、一方、途中でクチコミが止まる可能性があるのが「負のクチコミマーケティング」である。それは主にインセンティブをつけたものに多い。

実際過去にあったケースだが、ある飲料メーカーが行ったクチコミマーケティング施策で次のようなものがあった。「このキャンペーンの存在をメールなどを通じて友達に教えれば教えるほど、あなたの当選確率が上がります」というもの。最近ではフェイスブック上のソーシャルアプリ・ソーシャルゲームで、「友達にこのゲームを教えればゲーム内ポイントが貯まります」といったものも同様である。

つまり、情報を伝える当事者にとってメリットが大きいだけで、その情報を伝えられる友人側にはなんのメリットもないもの、一方的に情報を送りつけられるだけのものとなっている。言い換えれば、ユーザー自身に「友人を売る」ことを推奨しているのであり、ここに違和感を持つユーザーによって、結局は情報が「パス」されなくなってしまい、クチコミそのものが止まってしまう可能性が高い。これが「負のクチコミマーケティング」である。

クーポンやポイントで人を釣って他の人に知らせてもらおうというものは、私個人の考えとしては「ユーザーをバカにしている」企画だと思っている。それよりも、こちらの企てに参加してくれた人々が「オーガニック」に広めてくれるようなシカケとシクミをとことん考えること、それが正しいクチコミマーケティングではないだろうか。

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