「震災は生活者の何を変えたのか?」―博報堂生活総合研究所が震災前と比較分析

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このたび博報堂生活総合研究所では、「Life After 3.11 ~時系列調査に見る価値観変化と暮らしの進路レポート」と題したレポートを発行いたしました。

「震災は生活者の何を変えたのか?」―博報堂生活総合研究所では、震災前からの生活者トレンドと3.11以降の意識を、暮らしの全領域にわたって比較分析いたしました。

通常は偶数年5月に定点で行っている長期時系列調査『生活定点』を、今年5月にも臨時に実施し、日常生活の意識や行動に関する約1500問への回答について、2006年から時系列比較を行いました。さらに、震災後の自身の行動や考え方の変化について生活者に直接尋ねた『“生活者の声”調査』も同時に実施しました。

レポート概要

  • 日常生活の意識や行動の変化を浮き彫りにする時系列比較データを掲載
  • 震災後の行動や考え方の変化に関する生活者の生の声を掲載
  • データと生の声を踏まえた博報堂生活総合研究所の独自分析から導き出した「7つのFindings」および「3.11以降の生活者が目指す生き方」まとめ収録

7つのFindings

1. 不安は増えても、不満は言わない

震災後の2011年、「世の中に気がかりなこと・不安なことが多い」と感じる人が急増。逆に、「世の中にいやなこと・腹の立つことが多い」と感じる人は減り、2つの項目の上下が初めて逆転しました。生活者の声では、「不安だが腹が据わった」「文句を言わずに生活する」といった意見も挙がっています。不安は増えたが、不服を言わず、現状をたくましく受け入れようとする生活者の姿が伺えます。

2. 社会のために役立ちたい

2006年から、ほとんど動きのなかった「社会全体のためには不便なこともガマンできると思う」「 何か社会のために役立つことをしたいと思う」が、ともに震災後に大きく上昇。また、生活者の声でも”社会のために役立つことをしたい”といった内容の意見が多く挙がっています。震災によって、社会全体として取り組むべき課題があらわになったためでしょうか。一人ひとりが自分の役割を主体的に創ろうとしているようです。

3. 住まいを防災基地化

2006年以降、変化が見られなかった防災関連の項目も、震災後には大きく上昇しました。防災意識の高まりは、「地震への対処を常に考えるようになった」といった生活者の声にも見られます。震災後、人々の心の中に“自分の身は自分で守る”といった構えが生まれているようです。

4. 60代でデジタル・エントリー増加

「携帯電話やパソコンなどでメールをする友人がいる」は、20-40代では2006年から大きな変化が見られないのに対し、50代以上は急増。特に、60代は震災前後で9.1ポイントも増えました。同様に、「(最近1年間)家庭でパソコンを使った」も60代が震災を挟んで8.3ポイント増加。緊急時の連絡や情報収集にも役立つデジタル機器や情報装備。シルバー層も自分の身を守るために取り入れ始めているようです。

5. 親しき仲でも、べったりしない

2006年から下降傾向で、震災前の2010年に過去最低だった夫婦と友人に関する項目が、いずれも震災後に増加に転じました。その他にも「人の価値観が見えるようになった」「良い面も悪い面も目立った」という声も挙がっています。価値観や本音が浮き彫りになったことがきっかけとなり、人間関係の見直しが始まっているようです。

6. 自力なくして連帯なし

「自力自信がある方だ(自分の力を信じることで生まれる自信)」、「帰属自信がある方だ(何かに属していることで生まれる自信)」はともに、震災前は横ばいでしたが、震災後に増加しました。人々は孤立ではなく、自力で立てるものどうしのつながりへと向かっています。ムードとしての連帯感とは異なる、新しいつながり方が生まれているようです。

7. 高まる「自分の責任」意識

自己責任に関する2つの項目が震災後に増加、ともに4割弱で過去最高となりました。生活者の声では、「自分で情報を収集」「自分で調べる」など“自分基準で情報を選ぶ”といった内容の回答も目立ちました。人々は自分の基準と判断を信じて動き始めているようです。

7つのFindingsから見えてきた、3.11以降の生活者が目指す生き方

オペレーション じぶん 《自分で自分を運営する》
長期時系列調査による震災前後の意識・行動の分析から、生活者は不服を言わずに、今の現状をたくましく、受け入れようとしていること、また、自分の身を自分で守りつつ、社会における自分の役割を創ろうとしていること、自分の基準・判断・責任で動き、自立した個として人とつながろうとしていること、が見えてきました。このような変化が指し示す、3.11以降の生活者が目指す生き方を「オペレーション じぶん 《自分で自分を運営する》」と捉えました。

▼詳細は下記をご覧下さい。▼
「Life After 3.11 ~時系列調査に見る価値観変化と暮らしの進路レポート」 [pdf]

本件に関するお問合せ
株式会社 博報堂 博報堂生活総合研究所
http://seikatsusoken.jp/
TEL.03-6441-6450
株式会社 博報堂 広報室
http://www.hakuhodo.co.jp/
TEL.03-6441-6161

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