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ヤマサ醤油がソーシャルコマース参入 「フェイスブックには商人(あきんど)の感覚が必要」

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自社コミュニティから移行 1万人の「いいね!」目指す

フェイスブックページ「醤油の魔術師」の中では「超レアな醤油ショップ」を展開。「鮮度の一滴」のセット販売などを展開している。「ちィす!」「よろショウす!」が合言葉のキャラクター、「センイチ」らが登場する。

ヤマサ醤油は9月9日、酸化を防止するパウチ容器の醤油「鮮度の一滴」のフェイスブックページ「醤油の魔術師」を開設した。3週間で2500人を超える「いいね!」を集め、その数は10月25日時点で3995人に。「醤油大使検定」「秘伝のレシピ」などのコンテンツを通じて商品理解を深めている。

さらにページ内ではソーシャルコマースの取り組みとして「鮮度の一滴」を販売する「超レアな醤油ショップ」もスタートさせた。フェイスブック限定のセット販売や、「鮮度の一滴」のシンプルなハードケースも先行販売している。少しずつ商品も売れ始め、ウォールでは実際に購入したユーザーから「香りがいい」「能書きどおりのフレッシュな美味しさ」といった生の感想が書き込まれることも増えてきた。

2009年8月に発売された、酸化を防ぎ新鮮な美味しさを味わえるパウチ型の醤油「鮮度の一滴」。革新的な商品だからこそ、認知・理解のためのコミュニケーションが必要だった。

「鮮度の一滴」は2009年8月の発売以来、マス広告やPRのほか、ツイッター・mixi・モバゲーなどのソーシャルメディアを活用。多様なターゲットに向けた「360度コミュニケーション」をテーマに広告やPRを展開してきた。「革新性ある商品であるがゆえに、従来と使い勝手がまったく違う。容器だけを見て“詰め替え用の醤油”と思っている人も多い。だからこそあらゆる接点で機能性とともに、鮮度の良い醤油の価値をしっかり伝え続けていく必要がある」と話すのは、プロダクトマネージャーの藤村功氏だ。

自社で約1000人の会員が集まるコミュニティサイトも運営してきたが、今回はその役割をフェイスブックページに集約させた。発売当初から「鮮度の一滴」のマーケティング全般をサポートしてきたワールド・カフェ社の笠原造氏は「フェイスブックページを通じて商品に関心を持って、特性を理解して、欲しくなったら買う。そしてその体験をシェアする流れがダイレクトにつながるのが理想」と説明する。

運営を通じて藤村氏、笠原氏が意識しているのは「ソーシャルメディアは商人(あきんど)の感覚が必要」ということ。「お客さまの信頼を得ながら、満足した顔を見るのを楽しみに商いをする。フェイスブックにはそういう感覚が欠かせない」と実感している。

「いいね!」の数の目標は当初、1年で3000人としていたが1万人に上方修正した。今後もフェイスブック以外の施策も含め、引き続き全方位型のコミュニケーションを継続したいと考えている。

※本記事は宣伝会議10月15日号の特集「ソーシャルメディア・マーケティング」に掲載した記事に、一部加筆したものです。