広告界を目指す学生のための『広告界就職ガイド』の最新版が発売になりました。巻頭特集では、ふたりのトップランナーのインタビューを掲載しています。今回は、箱根駅伝にあわせた新聞社と7社のコラボレーションを実現し、新聞広告とテレビCMを連動させた読売新聞のキャンペーンなど、従来の枠組みにとらわれない企画を多数手がける吉野純さん(電通)のインタビューから、学生のみなさんへのメッセージを抜粋して掲載します。
『広告界就職ガイド2013』トップランナーが送るメッセージ①
吉野 純(よしの・じゅん)
電通 MCプラニング局 企画プロデュース室 チーフプロデューサー
1968年東京都生まれ。サントリー、ユニクロ、ソフトバンクなどのメディア戦略を立案。箱根駅伝にあわせて読売新聞が7社とコラボレーションして展開した「新聞に、事件を。」キャンペーン、読売新聞×AKB48の「創刊135周年キャンペーン」、日本マクドナルド×東京ドームなど、メディアプランニングから企画プロデュースまで、クリエーティブ領域まで踏み込んだ課題解決を行う。電通グランプリ2009、電通グランプリ2011受賞。慶應義塾大学、学習院大学などでマスメディアに関する講演も行っている。
AKB48×読売新聞
学生時代にしておいたほうがいいことは、純粋に消費者としていろんな物事に接して、感動したり面白がったり、人を喜ばせたりするような経験をすることではないでしょうか。
僕の場合、映画や本は好きでしたが、新聞のスクラップ程度しかしていませんでした。社会人になるとどうしてもプロの見方で、斜めから物を見てしまいがちです。だから、学生のうちに純粋に物事に感動したり何かに熱狂したりしておいた方がいいですね。
この業界で働いている人のほとんどは、読者や消費者など世の中を喜ばせることが生きがいのはずです。サプライズパーティで友だちをびっくりさせたり、新しい料理のレシピを考え出して彼氏・彼女を喜ばせたり、面白い友だちを集めて討論したり。めいっぱい遊んでおいた方がいいですよ。余計な授業を聞くのもいいかも知れません。僕の場合、単位に関係のない美術史や生物学の授業が意外と役に立っていたりします。蚊取り線香は右まきか? 左まきか? とかね(笑)。
経営について学んでもいいでしょう。意外だと思うかもしれませんが、広告のキャンペーンは経営戦略に直結している場合が多いのです。商品の売れ行きが経営を左右したり、企業のトップ自ら広告に出演することでイメージが良くなったりします。トップから直接ブランド戦略を相談されることもありますね。私の場合実家が自営業だったので、学生時代から「自分がこの会社の社長だったらどう考えるのか?」と考えるクセがありました。
とは言え、ほとんどのことは会社に入ってから学べます。だから、広告のことを深く勉強する必要はありません。広告とは、消費者に対しても仕事のプロセスでも「どうしたら相手をハッピーにできるか」と考えることの積み重ねです。データやロジックも大切ですが、最終的には情熱や熱意の方が伝わるものです。人の心に火をつけるのは、誠意です。プランニングもアイデアも大切ですが、自分がクライアントや仕事をどれだけ誠実に愛しているかの方が重要です。
先日、後輩が「僕はビジネスじゃなく仕事がしたいんです」と言うのでどういうことかと聞いたら、「ビジネスは『金儲け』。仕事は『人に仕える事』。人の役に立つことをしたい」と言うんです。いいことを言うなと思いました。
一緒に働きたいのは、なんでも吸収しようというポジティブな姿勢がある人ですね。相談した時に「できる」「できない」で答えるのではなく「できるためにどうするか」と考える姿勢がある人。そんな人と一緒に働きたいと思います。
今の一番の仕事は「既成の枠を取っ払うこと」。多くの仲間とお互いが幸せになれる生涯忘れられないような仕事をやっていきたいと思っています。自分から心を開いて、より多くの人と、より多くのハッピーを生む仕事をしていきたいですね。
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