コラム

マーケティングからイノベーションを起こすために

経営目線でソーシャルメディア・マーケティングを考える~路線変更を決断したリクルートのリクナビNEXT「+1cafe」の成功事例

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ソーシャルメディア人口は10億人を突破。日本のフェイスブック人口も1500万人へ。

「Trends In Telecommunication Reform 2012 」(ITU、国際電気通信連合)によると、世界のソーシャルメディアのユーザー数は10億人を突破しました。先ごろフェイスブックは月間アクティブユーザーが9億100万人になったと発表したので、世界のソーシャルメディアユーザーの90%がフェイスブックを利用していることになります。WindowsによりPCが普及し、ヤフーのポータルサイトやグーグルの検索によりインターネットが広く普及したように、フェイスブックはこれからも影響力を拡大していくでしょう。

ニールセンによると、日本のフェイスブックのPC訪問者数は1488万人(2012年3月)で、前月比で110%と順調に拡大しています。このペースでいけば、2000~3000万人を超えるのもそう遠くではなさそうです。本日は、ソーシャルメディア・マーケティング、特にフェイスブックをテーマに話しをしていきます。

フェイスブックページの運営課題について

先日、A社マーケティング担当者よりソーシャルメディアの活用についての本音を伺いました。ソーシャルをスタートした理由は、「競合もやり出したし、流行っているから」。今はどうですかと聞くと「もう正直、めんどくさい」と。B社は、競合がフェイスブックページを始めたため焦って立ち上げたものの、思うようにファンが増えない。C社は、ファンはフェイスブックアドで簡単に増やせたけど、思うような「いいね!」やコメントを獲得できず、運用パートナーも変えたいとのこと。各社なんらかの問題を抱えているわけですが、各社に共通しているのは、ソーシャルに取り組んでいる目的があいまいであることです。

マーケティング施策はさまざまな目的達成のため取り組むものですが、フェイスブックについては、立ち上げるのが簡単な分、あまりよく考えず立ち上げてしまい、行き詰まりを感じ、困っている方が最近増えています。新しいマーケティング手法をいち早く試してみる気概は大切ですし、スピードを重視した取り組みは評価されるべきですが、そろそろソーシャルメディアの位置づけを社内的にも明確にしていかないと、「こんなにリソースを使ってるけど、大丈夫?」と経営者からの声掛けに冷や汗をかくことになります。

どのような目標設定が望ましいか~2つの大義名分。経営者・消費者に何を提供するのか?

企業は自らの存在のため、利益を生み出さなくてはなりません。経営者は、その使命から外れたことに1分1秒でも時間を費やすことはナンセンスと思っています。一方、消費者からすれば、企業の広告ではなく、常連客としてのおもてなしや有意義な情報を求めています。経営者と消費者が求めることは、根本的に異なるのです。

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フェイスブックページが、自社のビジネスにどう貢献するのか、消費者の生活にどう貢献するのか。担当者は、その2つの役割を明確にし、経営者と消費者に対して説明できるような大義名分を用意するようにしてください。対消費者向け目標であれば、お客様の役に立ち、結果としてファンになっていただくこと。対経営者向け目標であれば、売り上げ拡大に決定的なほどの影響を与え、企業利益の最大化に貢献することが必要です。

目的が決まったら、希望するリターンを確定させて、投資規模を決めましょう。

目的が決まったら、あとはやるだけなのですが、目標達成で得られるリターンから、どのぐらいのコストをかけるのが適切なのか、検討しなくてはいけません。もしあなたが企業オーナーの息子でもない限り、企業活動のすべては、投資とリターンの関係で説明する必要があります。一時的な広告投資と異なり、ソーシャルでは継続した運用が必要になるため一定の人員が必要です。よって、その後さまざまなコストがかかります。少なすぎても、多すぎてもいけないのですが、可能な限りのリターンを想定し、投資予算を確保しましょう。

ソーシャルメディアの本格的な普及が遅れている日本では、多くの企業で他の業務とソーシャルを兼務する形で担当者が置かれています。ページは24時間365日稼働していますから、思わぬ事件が勃発することも想定して、フェイスブック担当者がいつ、どのようなタイミングでウォールをチェックしていくのかオペレーションを決めておいた方がよいでしょう。

フェイスブックページは一度始めてしまうと辞めることは難しいですし、一度企画してしまった路線を変更することも難しいのです。立ち上げ期には、寄り添ってくれていた支援会社も、継続してお金が落ちないとなれば、中々手伝いにくいというのが実情です。ファンを十分に満足させるためには、自分達がファンに対して何を提供できるのか、「提供価値は何か」を徹底的に見つめ直すことが大切です。

路線変更を決断した成功事例~リクナビNEXT「+1cafe」

フェイスブックで顧客との絆を深めるために、最近、大がかりなリニューアルをしたリクルートの転職サイト「リクナビNEXT」のファンページについて紹介します。リクナビNEXTのファン数は早々に10万人を超え、日本でもトップクラスのファン数となっていました。大規模なリニューアルの背景には、今後フェイスブックの規模拡大により、一層のファン参加が想定されるため、ページの存在意義についてリクルートのパートナーとして弊社も一緒に再考し、フェイスブックページリニューアルのお手伝いをしました。了解が得られましたので、今日はその事例を通じて、企業ファンページのあるべき方向性について、お話しします。

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