「本質的な就職活動」を目指す教育プログラム、マスメディアン×電通「ジブンと社会をつなぐ教室」。10月2日の開講に先駆け、発起人及び講師を勤める電通のプロモーションプランナー 小島雄一郎さん、戦略プランナー 笹木隆之さん、コピーライター 保持壮太郎さん、アートディレクター 大来優さんの4人にお集まりいただき、当プログラムの考え方について語っていただいた。
企業に選んでもらうための就職活動になっていた
小島 まず、この教室を始めようと思ったきっかけから話していきましょう。
笹木 大きなきっかけは、OB訪問ですね。OB訪問を受ける側になって気付いたのは、就職活動生のマインドが「就職活動が職に就くため、企業に選んでもらうための活動になってしまっている」ということ。それはもったいないと思いました。
小島 僕も同じです。2年前、僕と笹木で「広告をつくるような考え方で就職活動をしたらうまくいくのでは」と話して、勝手に企画書をつくりました。それを勝手に、宣伝会議とマスメディアンに送りつけた(笑)。それが「広告式就職活動」というセミナーになり、『広告のやりかたで就活をやってみた』という書籍になった。
その書籍を読んだ電通のプランニング・ディレクター 牧口征弘さんから連絡をいただきました。牧口さんは、CM作りを通して子供たちのコミュニケーション力を高めるプログラム、「広告小学校」を運営しています。
笹木 「広告小学校」と「広告式就職活動」、そして『広告のやりかたで就活をやってみた』が一緒になった感じです。コミュニケーションの力を使って社会と自分の関係をもっと良くすることができたらと思いました。
保持さんにはそうしたことを表すネーミングを考えていただきました。
「労働者」じゃなく「社会人」なのはなぜ?
小島 「ジブンと社会をつなぐ教室」というネーミングの意図は?
保持 学生から社会に出ると、“ハタラク人”なのに「労働者」と呼ばれず、「社会人」と呼ばれる。それはすごいことです。そこに大きなヒントがあると思いました。
今、就職活動は「社会人」になるための活動ではなくなっています。本来は社会における自分を考えるための活動なのではないか。だから「社会と自分をつなぐ」という言葉がいいと思いました。
小島 何で「教室」だったのですか。
保持 「学校」、「塾」、「講座」、「大学」、「部屋」など候補はいくつもありましたが、大学生と一緒につくっていく押し付けない場にしたいと考え、「教室」がちょうどいいと思いました。
小島 教わるだけでなく、ある程度「自分で学んでいく」場にしたいですよね。
笹木 「ジブン」と「自分」の違いも大切です。
保持 「自分」について考えてほしかったし、“得体のしれないもの感”を出したかったから。
小島 未だに理解できない「自分」というものを片仮名で表現し、「社会」というかたいものは漢字で、最もやわらかい「つなぐ」だけを平仮名にしようということでした。
次回は8月31日更新
「講師の皆さんの就職活動は?」
をお届けします。
ジブンと社会をつなぐ教室プロジェクトチーム(マスメディアン×電通)バックナンバー
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