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コラム

ジブンと社会をつなぐ教室

「苦しくなったら私の背中を見て」

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「ジブンと社会をつなぐ教室」は10月2日、いよいよ開講します。最終回は、当教室の校長を務める牧口征弘さん(電通 プランニング・ディレクター)からのメッセージです。

このコラムも今回をもって最終回となります。
いよいよ本教室がスタートするからです。
熱気あふれる説明会を経て、我々チーム一同も、大いなる期待感と共にあらためて気を引き締めているところです。

説明会とそれに先駆けて行われた実験教室を通じて感じたことがあります。それは、参加して下さった学生の方々の「打ち解け」の速さです。ほとんどが初対面同士であるにもかかわらず、ものの5分足らずで会話が弾み、帰り路には連れ立って話の続きが始まるような雰囲気。

世代の特徴として当たり前ですよ、と言われればそれまでですが、20年以上も前に社会に出た人間にとってみれば少々驚きです。
しかし、この「打ち解け」力が万能かと言えばそうではなく、むしろ落とし穴があると思います。特に、ジブンと社会の接点を探す場面において。

それは何故か。
理由は簡単です。その場面において皆さんが相手にするのは、基本的に異世代の人たちで、違う価値観を背負った全くの異者たちだからです。
従って、同世代の仲間内で通用している話法や言葉遣いやムードやニュアンスといったものが、全く通用しない可能性があります。いやむしろ、全く通用しないと考えた方がいいでしょう。
だからこそ、世に言う就職活動は大変なのです。

この難しい局面を切り拓くための大きな鍵の一つとして、我々はコミュニケーションの力を掲げています。それは、こういうことだと思います。根本的に異なる他者を相手にした時に、いかに自分のことを理解してもらうか。そのための準備段階として、自分のことを前もっていかに理解し尽しておくか。
表層的な「コミュ力」と本質的な「コミュニケーション力」との違いは、そんなところにも潜んでいます。

かつて、なでしこジャパンの澤穂希選手は、北京オリンピックの試合を前にしてチームメイトにこう呼びかけました。「苦しくなったら私の背中を見て」。
自分のことを知り尽くし、それを確かに他者に伝えきる。いろんな示唆が、この一言に満ちているような気がしませんか?

『ジブンと社会をつなぐ教室』、キックオフです。

※連載「ジブンと社会をつなぐ教室」は今回で終了です。ご愛読ありがとうございました。

ジブンと社会をつなぐ教室プロジェクトチーム(マスメディアン×電通)バックナンバー