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活況続く大学生向けの広告コンテスト(2)「試す」applim~博報堂など広告関連13社も協賛、人材発掘にも期待か

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10月中旬から下旬にかけ、現役大学生が主催・参加するマーケティングやクリエイティブ分野の企画コンテストの結果発表が続いた。学生の目線で日本の魅力を表現するCMコンテスト「my Japan Award」、スマートフォンなどを活用したマーケティング企画を競う「applim(アプリム)」など、いずれも広告界のトップクリエイターやプランナーが審査にあたっているのが特徴だ。大手広告主や広告会社が協賛・後援する動きもあり、優秀な学生たちの広告界への関心を高めるとともに、早くから将来を担う人材を発掘・育成したいといった狙いもあるようだ。

「カンヌでゴールド獲得してもおかしくない」AR活用のアイデア

今年で4回目を迎えるマーケティング企画コンテスト「applim」は、博報堂やアサツーディ・ケイ、リクルート、日本マイクロソフト、ディー・エヌ・エー、サイバーエージェントなど13社が協賛。江端浩人氏、木村健太郎氏、原野守弘氏ら7人が審査に参加した。テーマは「デジタル×リアルな体験」で、学生らが自主的にクライアントとなる企業と課題を設定し、スマートフォンなどを用いた企画を提案する。今回は160チーム650人が参加し、10月27日に都内で実施された決勝プレゼンに6チームが勝ち進んだ。

最優秀賞を受賞したのはチーム「ネオアルス」で、メンバーは岡山拓斗さん(上智大学2年)、池澤あやかさん(慶應義塾大学3年)、二瓶太一さん(同2年)、田代このみさん(東京工業大学大学院修士1年)、佐藤佳文さん(立教大学4年)の5人。このほか2チームに優秀賞が贈られた。

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最優秀賞を受賞した「ネオアルス」のメンバー。160チームの頂点に。
登壇者は審査員の赤羽雄二氏(ブレークスルーパートナーズ)

ネオアルスの企画は実在のファストフードチェーンをクライアントに想定したもので、ソーシャルメディアへ投稿・拡散されやすい画像として「子どもの笑顔」に着目。タブレットやスマートフォンのディスプレイに映し出したメニューに、AR技術を使ってアニメーションを重ねて表示することで、子どもに笑顔になってもらうというアイデアだ。

さらにスマートフォンの内蔵カメラが子どもの笑顔を撮影、ソーシャルメディアなどで拡散できるという仕組みのアプリを企画した。子どもの笑顔の瞬間を様々な方法で拡散していくことで、口コミを広げるという仕組みとなっている。審査員からは「カンヌライオンズでゴールドを獲得してもおかしくないくらい高いクオリティ。ストーリーを感じさせる」と絶賛の声もあがった。

一方、総評で「(全体的に)プレゼンは上手いが、中身は詰め切れていない。このレベルで満足していては甘い」と檄を飛ばしたのは審査員の一人、澤本嘉光氏。「今回の審査では“すごい奴が出てきたな”と恐怖を感じるほど強い企画はなかった。本気で世の中を動かそうと思ってアイデアを出していないのではないか」と厳しい言葉を投げかけつつ、広告界の未来を担うであろう若い世代への高い期待をにじませた。

このほか協賛する13社がそれぞれ独自に選ぶ「企業賞」も発表され、中には優秀賞と2つの企業賞という“トリプル受賞”を果たしたチームも。会場が沸く中、各社の人事担当者や現場のマネージャーらが登壇し、選定理由やブラッシュアップすべき点などをアドバイスした。

「活況続く大学生向けの広告コンテスト(1)my Japan Award」はこちら