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コラム

33歳、現場プロデューサーが考えるエージェンシーの未来

「クライアント業務」と「ビジネス立ち上げ」とのシナジー。―広告業の拡張をプロデュースするにあたって―

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『アドタイ・デイズ 2013』に梅田さん登壇
アドタイ初のリアルイベント。広告界の未来を構想する2日間
テーマ:情報流通の変化とこれからの広告

本コラムも後半に差し掛かってきました。
前半は具体的な広告施策の事例を通して、プロデューサーとしてどんなことを考えながら取り組んでいるか、またリアルな現場ではどんなことをしているか、を紹介してきました。
「2013年の抱負」「ニコニコ動画さんとの対談」を挟んで、後半は「広告業を拡張する事業へのチャレンジ」をテーマに、いま具体的に会社で取り組んでいる幾つかの事例を通して考えていきたいと思います。

今回はまずその前提となる考え方についてです。
本コラムでは一貫して、「広告代理店は、“広告”業をベースにしつつも、今後は“代理”業全般、即ちエージェンシー領域を伸ばしていく必要がある」というスタンス/仮説で書いています。その背景としては、マーケティングの手段が多様化している現状、個々のスペシャリストの(素晴らしい)能力を1つの力にまとめていくプロデューサー的なエージェント機能が求められてくるのでは、という考えがあります。
まずは「クライアントの課題解決(もしくは課題設定)のプロデュース」ということに取り組んでいく必要があると思いますが、その延長線上には、「(広告代理店自身の課題の1つとしての)ビジネスエージェンシー化のプロデュース」ということも視野に入ってきます。

後者については、もちろんそれ専用の取り組みも必要だとは思いますが、前者に取り組んでいるうちに自然と後者の芽が見えてくることもありますし、また現状既に様々なステークホルダーとの関係性を持つ広告代理店の強みも存分に活用できると思います。
つまり、広告を世に出していく過程自体、クライアントや協力会社含めた社内外の多様なスペシャリストと、それを統括する推進役とで成立しているわけで、そのスキームの視点や角度を少し変えるだけで、広告ビジネスの領域を拡げていけると思います。
例えば、現状の広告ビジネスと近いところだと、現状の広告案件で関係性のあるWeb制作会社、PR会社、その他各種ナレッジ/テクノロジーを保有している会社等と、広告以外のマーケティングソリューションを開発し、提供していくことは比較的考えやすいのかな、と思いますし、場合によっては、toBではなくtoCビジネスに転換できるものもあると思います(特にコンテンツ開発系など)。その際、単独で立ち上げるよりは、クライアント案件へのソリューションからの発展系としての方が(まずは)着地しやすいように思います。

そして今、自分自身の業務領域としても、前者半分、後者半分という形で日々取り組んでおり、まさに前者と後者のシナジーを実感しています。
クライアント案件にどう応えようかと考えたり行動したりしているうちに、新たなステークホルダーとの関係性が生まれ、それがエージェンシーとしての事業拡張のヒントとなり、その新事業の立ち上げにチャレンジしているうちに、他のクライアント案件への活用が見えてくる・・・といったサイクルです。
そういったプロデューサーとしての動きができるのも、広告代理店という下地があってこそであり、組織・会社としてのユニークネスを強く感じます。

次回は、このような考えのもと取り組んでいる実際の事例をご紹介できれば、と思います。

※追記※
3月13日、14日に開催されるアドタイ・デイズのセミナーの1つ(14日(木)13時からのE3)に登壇者として参加させていただくことになりました。「情報流通の変化とこれからの広告」というテーマです。大きなテーマですが、せっかくですので体当たりでのトークセッションができれば、と思います。宜しければ是非お越しくださいませ。

『アドタイ・デイズ 2013』梅田さんのセミナー詳細はこちら


【梅田 亮「33歳、現場プロデューサーが考えるエージェンシーの未来」バックナンバー】