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コラム

汐留で使われているO2Oの教科書

店舗オペを阻害しないO2O

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全日本広告連盟主催の広告大学(新人アドマン研修)で22日、「メディア進化論」というテーマで講演をさせて頂いていました。

メディアの「成長」と「進化」というキーワードを主軸に、情報量によって適切なナビゲーションは異なるという話や、なぜGoogleがインターネットに多くの情報を載せたがっていたのか、Facebookは自社のユーザー情報を参照させるのか?といった内容でお話しさせて頂いていました。

また、機会があれば同テーマでお話できればと思っていますが、メディアの「進化」というテーマで講演していても、その進化の系譜の先のひとつとして、O2Oにたどり着きます。

その進化の系譜のひとつというのが、リアルとの融合という系譜です。

今回は、店舗オペを阻害しないO2Oというテーマでお話ししたいと思います。

O2Oは、リアルとの結びつきが極めて強いデジタル施策と言えます。

デジタル視点で考えると、マーケティングデータ取れるから、この一手間ぐらい大丈夫だろう。この機械を店舗に入れてくれれば、それで済みます。などと考えがちですが、店舗からするとお客様1名を対応する時間が30秒でも増えれば、それは大きなコストとして積みあがって行きます。

また、トラッキングするための機器を導入する、その機器を店舗スタッフが習得するといったことは、デジタル側の人間が考えている以上に大きなハードルになっています。

1時間に数人しか店舗に来ず、定員は多くの時間を手待ち時間としているケースであれば問題ないかもしれませんが、O2Oのデジタル施策として店舗に誘導できる顧客の数が少ないような場合だとO2O施策のコストは吸収できないでしょうし、より多くの顧客が利用するような環境でないとO2Oは、実施に至らないというケースが多いように思われます。

そう考えると店舗オペレーションをこれまでと変えることなく、顧客対応時間を増やさず、店員の教育も最小限で済むO2O施策が求められているということが見えてきます(そうでないと、絵に描いた餅で終わるケースも多い)。

ここまで店舗のイメージで話してきましたが、イベントなども同様です。

イベントなどでは、特定時間内に多くの来場者をさばくことが求められます。

イベントの入場チケットなどの電子化施策も多く進んでいますが、QRコードによる管理をしている場合に、読み取りに時間がかかるケース。もぎりなどのチケットだとユーザーが事前にチケットを入手(アクティベート)していないケース、NFCなどの形式だと読み取り端末の設置にハードルが高いなど、それぞれで少なからず課題はあります。

デジタルサービス再度に求められるのは、どれだけ経験値を高めて店頭やイベントのゲートで混乱なく、コミュニケーションコストがかからない構造へ持っていけるか、ユーザー認知を獲得して、当たり前の環境へと導けるか。その競争に勝ったプレイヤーが本当に使われるO2Oサービサーとして次世代のデジタルクーポン、チケットといった分野での確固たる地位を得るものと思います。

次回に続く


【吉羽 一高「汐留で使われているO2Oの教科書」バックナンバー】