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若年のウイスキーエントリー層の取り込みに成功

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アサヒビール「ジャック ダニエル」販売開始プロモーション

販促会議6月号より

アサヒビールは2013年1月から、それまで他社が販売権を所有していたアメリカンウイスキー「ジャック ダニエル」の販売を開始。それに伴って、テレビCM、雑誌広告やウェブ展開などのクロスメディアプロモーションを実施。商品へのこだわりを重点的に訴求する内容で、若年層を中心とした新規ユーザーの獲得を図った。

<分析の軸と詳細>
20〜30代の若年層は取り込めているか?

日本国内の販売数量が第1位で高いブランド力を獲得している同商品。今回の施策の主なターゲットとして20〜30代の若年層が挙げられていることから、この層が取り込めているかどうかを軸に分析を行った。


今回、販売権がアサヒビールになってからの約2か月間(2013年1月7日〜3月10日)の購買動向を前年同期と比較した。購入者人数、購入個数、購入金額を見ると、購入者人数は前年比約114%と大きく伸長している。年代としては40代がやや減少、30代は同じだが、ほかの年代はすべて伸びている。

購入個数、購入金額はほぼ横ばい。今回のターゲットである20〜30代は、20代が人数・個数・金額すべて伸びている。30代は人数こそ昨年と同じながら、個数、金額も伸びている。このことからも、プロモーションがうまくいっていることが分かる。

続いて商品の新規者が取り込めたのかを見る。集計前24週、該当商品の購入者がない顧客を「新規者」として分析したところ、40代以外はすべて新規者の人数自体が増加していた。「ジャックダニエル」購入者全体における新規者の人数構成比の伸び率を見ると、20代、30代、50代が伸びているのが分かる。

また、これまでウイスキー自体を購入していなかった「ウイスキー新規者(集計前24週にウイスキーを購入していない顧客)」の取り込みについても分析した。すると、ジャック ダニエルをきっかけにウイスキー購入者になった新規顧客人数は前年比111%となった。中でも人数の伸びが大きかったのが50代で、その後に70代、20代、30代と続く。

今回の施策で若年エントリー層が取り込めていると言える。

検証1:購入者人数が前期比114%に

購入者人数は40代が前期より減少しているが、30代は同数、そのほかの年代はすべて上回った。購入個数、購入金額についてはほぼ横ばいとなっている。

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検証2:20代、30代、50代の新規購入者比率が大きく伸びる

期間中、ジャックダニエルを購入した人における新規購入者の比率の伸び率を見ると、50代が大きく伸び、次いで20代、30代となった。若年層の新規者の伸びが顕著となった。

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検証3:若年のカテゴリーエントリー層も取り込む

ウイスキーそのものを購入していなかった人が「ジャック ダニエル」をきっかけにウイスキー購入者となった人も前期に比べて伸びている。

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調査概要:カスタマー・コミュニケーションズ(株)が保有する全国食品スーパーの顧客ID付POSデータを使用。食品スーパー150万人のデータから全国の購買を対象に分析した。来店客のポイントカードなどによって顧客識別を行い、一人ひとりの購買履歴を収集することで、より深い購買分析が可能となる。

【シリーズ 『TOP PROMOTIONのその後』】