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不動産から百貨店まで多彩な実績を踏まえインタラクティブキャンペーンを開始〜120万商圏で2人に1人が持つお得なカードが軸

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ケース(4)遠州鉄道×日本アイ・ビー・エム

静岡県・浜松市に本社を置く遠州鉄道では、ポイント・クレジット機能を持ったグループ共通カードの「えんてつカード」のネット会員、非ネット会員向けプロモーションを強化し、マーケティングツールを活用して商圏内の顧客ニーズを丁寧に拾い上げる活動を推進している。

IBM Campaign
企業の顧客データベースを活用し、顧客それぞれに最適な提案やメッセージをメール、モバイル、DM、パーソナライズドページ、コールセンター、ソーシャルメディアなどクロスチャネルで発信し、キャンペーンを行うマーケティング担当者の設計・実施・効果検証・分析をサポートし、マーケティングROIと顧客満足を実現するソフトウェア。

――遠州鉄道は電車・バス・タクシーなどの公共交通機関に始まり日々の暮らし全般に関わる事業を遠鉄グループとして展開しており、営業推進部はグループ全体のマーケティング、プロモーション、営業推進を担当されています。その一貫としてグループ共通ポイント・クレジットカード「えんてつカード」の発行および会員プロモーションを担当されているそうですね。

写真左から日本アイ・ビー・エムの山岡宏二氏、遠州鉄道の宮田洋経営企画部長、同営業推進部の鈴木陽介氏、日本アイ・ビー・エムの白崎弘章氏、遠州鉄道・営業推進部の藤井直氏。

宮田 120万商圏と言われる浜松で「えんてつカード」の会員はおかげ様で49万人以上いらっしゃいます。少数の会員には店舗限定のダイレクトメールを送付しておりその評判はとてもよいのですが、全会員へ会員のニーズに応じダイレクトメールを送付することはコスト的に実現困難で、会員へのプロモーションは、自社メディア・ウェブサイト・駅等の情報ターミナルおよびメルマガで行っていました。

――IBM Campaign導入のきっかけは。

2011年の11月にグループ内の遠鉄百貨店の新館オープンがあり、話題作りとして新たにメールマガジンを配信することを企画しました。

遠鉄百貨店のお客様に「endepaメールclub」のメールマガジン会員組織を立ち上げ、「メールを読んで対象リンクをクリックした方にポイント付与」といったメールを配信したところ、開始当初のクリック率は約7割、現在も平均で6割を維持しています。かつ事後の調査で購買額、頻度、単価すべてにおいて非メール会員と比較すると、メール会員は4割程度高いスコアがでて、メール会員は実はコア顧客であることが分かりました。

こういった経緯でメールマガジンの有用性を再認識し、百貨店だけでなく広く会員を対象としたメールマーケティング(販売促進施策)にも力を入れていこうと考えました。

「メールマーケティングの時代は終わった」と思う方もいるかもしれませんが、それは大量・一斉配信のメールでは効果がないだけ。顧客セグメントに応じた緻密な情報を提供できれば、プロモーションツールとして大いに活用できると考えています。

宮田 たまたま、IBM SPSS Modelerでお付き合いのあったIBMの営業さんからIBM Campaignの紹介を受け、実はいろいろ紆余曲折あったのですが(笑)、IBM Campaignを導入することにしました。

他に3社のサービスを比較検討しましたが、IBMを選んだ理由の一つは、当社の利用する目的に最も合っていたからです。当社は事業領域が広く、多様な顧客セグメントに応じて、適切なメディアへクロスにキャンペーンをアプローチする必要がありましたが、他社にはその条件を満たすものがありませんでした。

またIBM Campaignは会員数に応じた価格となっており、会員数増に合わせた投資を行いたい当社にとって、開始当初は負担が少なくすみました。

えんてつカード会員向けに配信した、ホテル内レストランのプロモーションメール。配信するメール内容にも工夫を凝らし、現在は画像を多用したデザインを採用している。

藤井 フォロー型の入会直後のサンキューメールや、誕生日メールなどフォロー型のアプローチは人力で実現するのは困難です。今回、IBMCampaignを導入することで、データの抽出・配信・分析まで日次業務として自動化し複数の事業に対応した複数キャンペーンを同時に走らせることができるようになります。

鈴木 テストマーケティングの段階においては、当初考えていた仮説が外れることも多々あります。しかしながら、結果を定量化し比較・分析し、次のプロモーション施策の精度向上につなげることが重要です。IBM Campaignの導入により、そのサイクルが高速化し、容易になります。今回、メール会員が非メール会員を誘ってキャンペーンに参加してくることも分析して初めて分かりました。

白崎 キャンペーンの結果を常に計測しているため、実施前の成果予測や実施後の結果考察がしやすいですよね。グループの各事業部門と目標や数字を共有してキャンペーンに取り組むと、より活動が活発になると思います。

宮田 私たち、営業推進部のキャッチフレーズは「あってよかった、営業推進部」なんです(笑)。最近は各事業会社の営業担当・企画担当が相談に来てくれる環境ができてきていますし、何よりもリアリティある仮説を持っているのは現場の担当者ですから、社内の各部門と連携しながらプロモーション活動を進めていきたいですね。

――IBM Campaign導入に先立ち、2011 年の12 月からはI BM SPSSModeler も導入し、利用者データの分析に取り組んでいらっしゃいます。

宮田 IBM SPSS Modeler を導入したのは、カード会員の利用履歴を統計的に解析した顧客分析レポートを提供することで、各事業の担当者・役員が顧客行動をより深く知るための手助けになると考えたからです。今は3事業で利用しています。もちろん、カード利用履歴からは、顧客が購入に至った経緯や動機付け、比較検討した内容、利用メディアなどの情報は把握しにくいものです。

IBM Campaignを使って、顧客が利用した経緯・履歴を一つひとつ捉えて、メールマーケティングを実施する。この流れを深め、グループ全体でこの考え方を実践できる人材を育てていきたいですね。そのための実践する環境(プロモーション、顧客分析)の提供や知見の共有化も推進していきたいですね。

山岡 中には、データ分析できる人材がいないので導入に二の足を踏んでしまう企業さんもありますが、宮田さんは「人材がいないなら育てよう」という長期の視座で戦略を考えていらっしゃるので、素晴らしいなと思います。

宮田 今思えばIBM SPSS Modelerを導入した当初に行っていたセグメンテーションは稚拙でしたし、私たちも使いながら知識を得ているところです。さらには研修などを実施し、社内の各担当者がIBM SPSS ModelerやIBMCampaignを使えるまでの知識を身に着けてもらうのが理想です。

――今後の注力領域は。

宮田 遠州鉄道は今年創立70周年の年です。IBM Campaignを様々な局面で利用し現場と一緒になって創立70周年を盛り上げていきます。併せてネット会員も2年以内に現在の2倍に増やすことを目標にしています。

今も、現場では常に「求められるサービス」や「届いてよかったと思えるキャンペーン」を工夫しています。それを必要な会員の方にお届けし、一方、会員の方々の反応を現場担当者に届け、グループ会社、および会社相互間でのトライ&ロールアウトのサイクルをうまく回していこうとしています。このことが、この商圏のビジネスを大きく成長させることに繋がればと考えています。(本文中・敬称略)


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日本アイ・ビー・エム株式会社 ソフトウェア事業 スマーター・コマース営業部 
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