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霧島酒造、焼酎メーカー売上高で初首位――快挙の一翼担ったコミュニケーション戦略

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帝国データバンク福岡支店は8月15日、焼酎メーカーの2012年の売上高ランキングを発表した。同ランキングの発表は今回で10回目。発表によると、霧島酒造が前年比6.1%の増収で500億円を超え、初めて首位を獲得した。

2003年の第1回では124億円で8位だった霧島酒造。麦焼酎「いいちこ」を主力商品とし、9年連続で首位を維持してきた三和酒類をおさえての快挙となった。

この10年越しの快挙において、広告・コミュニケーションが果たした役割について霧島酒造 代表取締役専務 江夏拓三氏に聞いた。

――売上トップを達成した要因について、どう考えるか?

本格焼酎の中でも、従来の芋焼酎は米や麦と比べ、洗練されていない独特の香りのある焼酎だった。そんな市場に「トロッとキリッと」と表現している通り、きれいで洗練された味わいの芋焼酎「黒霧島」を投入した。市場が欲していた商品、つまり黒霧島の開発が今日の霧島酒造を支えている。

味わいそのものだけでなく、料理との関係性や、芋焼酎「赤霧島」の存在も欠かせなかったと思う。当社には「焼酎文化は食文化の基にありき」という考えがあり、黒霧島の開発時にも大切にしたのが、料理との相性。あまり主張せず、どんな料理にも合う商品にすることを心がけた。
そして赤霧島も、売上の大部分を占める黒霧島を支えた。春・秋と年2回の限定発売としていることが話題喚起につながり、お客さまを飽きさせないという効果をもたらしている。これからは、九州はもとより、首都圏をはじめ、大阪・名古屋などの大都市圏での消費拡大に努めていきたい。

――広告・コミュニケーションについてはどんな目的を掲げ、消費者にどのようなメッセージを伝えることを意識してきたのか。

計画出荷中ということもあり、ここ1年は大きな広告宣伝活動を自粛していたが、「焼酎文化は食文化の基にありき」という考えのもと、地域に伝わる“うまいもの”と“焼酎”との出会いにスポットを当てた広告活動を、1987年から現在に至るまで、26年間継続して展開している。本社のある宮崎県内では、主に新聞や雑誌で「うまいものはうまい。」(1987年~)、その他九州エリアにおいては雑誌やテレビCMなどで「九州の味とともに」(2006年~)を展開し、“食”と“焼酎”の関係を大切に伝えてきた。


新聞広告「うまいものはうまい。」(1987年~)。県内各地の名産品を紹介しながら、どの食材・料理にも合うという黒霧島の魅力を伝えている。霧島酒造の公式サイトでも、この広告と連動したコンテンツを公開している。

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