メール受信設定のご確認をお願いいたします。

AdverTimes.からのメールを受信できていない場合は、
下記から受信設定の確認方法をご覧いただけます。

×

I.C.Eが見たスパイクスアジア2013レポート(第1回)

share

 さて、その「Social Good」。もし本当に広告がモノを売るために一方的にメッセージする手段ではなく、より良い世の中を実現するためのソリューションとして生まれ変わることができるのなら、それはそれでスゴく良いことだし、希望もあると思います。ただ正直、実際にそういうアイデアを考えようとしたとき、ビジネスの側面と、社会的な側面との間でバランスをどう取ったものかしらんと、少しもやもやした感じになるのは僕だけではないはず!?そこで今日は、そのヒントになるようなセミナーに出会えましたので、ちょっとご紹介しますね。

 広告会社LOWE AND PARTNERSとあのリアル・ビューティー・スケッチのユニリーバによるセミナーです。ユニリーバを中心にさまざまなソーシャル・グッドの優れた事例が紹介されました。以下がそれらの事例に共通する原則とのこと。

1. ソーシャルなミッションはブランドの中核的な目的によって導かれる必要がある。罪悪感からであってはならない。

2. ミッションステートメントだけでは不十分。ブランドの社会的なミッションに参加することによって違いを生み出すことができるということを実際に人々に示すことが重要。

3. ベストなソーシャルミッションはビジネスモデルの中に統合されなければならない。

4. 本当に問題に関与するためには、ソーシャルなミッションを共に行うパートナーとでも議論を醸すことがときには必要。

5. ソーシャルなミッションの中にブランド名や会社名を出すことを恥じる必要はない。なぜならそのブランドが素晴らしかったからこそ、そのミッションを実現できたのだから。

6. 最も難しいのは、その複雑な社会問題についてどのようになることが成功なのかを想像すること。YouTubeの再生回数を数えるのは簡単ではあるが、それは単なる結果でしかない。

 面白かったのは、原則が挙げられた最後に流れた「Axe’s social mission」という映像!「Axeにはソーシャルなミッションはない。あなたの会社、あなたのブランドは本当にソーシャルミッションが必要なのかきちんと考えることから始めましょう」というメッセージで締めくくられます。CSRやPRのために、あるいは賞を意識して?、世の中のためになりそうなことを安易にやろうとしがちな昨今の「Social Good」ブームに対する警鐘のようでもあり、色々考えさせられるセミナーでした。

と、初回からついついマジメに書いてしまいましたが、きっと次のソニックジャムさんは面白おかしく展開してくれるはず!乞うご期待!!
僕はそろそろ、明日に備えて寝ようと思います。ではではまたまた。


LOWE AND PARTNERSとユニリーバによるセミナー。

久保博之
ワン・トゥー・テン・デザイン クリエイティブ・ディレクター/アートディレクター。主な仕事に、AQUOS REAL LIVE、Smile News、おらほのラジオ体操など。