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コラム

販促・集客メディアフォーラム

トルトコミテ、鍵は「スピードとローカライズ」――ジュピターショップチャンネル

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情報、価値を最も持つのは生産者

ジュピターショップチャンネル プランニング本部 川瀬邦人氏

我々、24時間365日生放送のショッピング専門チャンネルを運営するジュピターショップチャンネルが2012年9月に始めた「トルトコミテ」は、魚や野菜などの「獲るところ」をネットでライブ配信しながら販売するサービスです。

13年4月以降、ぐっと売上げを伸ばすことができ、ようやくミドルクラスと言えるようになりました。この1年間で得られた知見もありますので、お話ししたいと思います。

「トルトコミテ」は、商品の軸を「鮮魚」に置いてスタートしました。「究極のライブ通販」を目指していますので、魚が一番象徴的と考えたからです。鮮魚を扱う珍しさも手伝って、多くのメディアに取り上げていただけました。

トルトコミテの勝負どころは、情報を伝えるスピード。例えば、今朝6時に長崎・五島列島でカンパチが水揚げされたなら、その事実を一刻も早くひとりでも多くのお客さまに伝えなくてはなりません。

スピード感あるメディアとして、Facebookを積極的に活用しています。サービス開始から2カ月後、12年11月にFacebookページを立ち上げました。生産地から、最新で生の情報を紹介できるよう、生産者の方々にも投稿していただいています。内容は船上で写真を撮り、「ブリが揚がりました」「カンパチが豊漁なので、きょうのご注文には必ず入ります」といったもの。

商品情報だけでなく、「きょうはウミガメに出会いました」ですとか、「台風の影響で漁に出られません」といったこともアップロードしていきます。方言そのままに書き込んでいただくほうが、レスポンスがよく、人気ですね。Facebookページは現在5万人近いファンがいて、多い日では販売シェアの50%がFacebook経由ということもあります。

生産者と考える「価値ある商品」

魅力ある商品を開発するためには、生産者への情報開示がポイントです。売上げはもちろん、購入者の属性などデータを一緒に見ていきます。生産者の方にも消費者の視点で、価値ある商品について考えていただくためです。

二人三脚の取り組みは、商品としても形になってきており、生魚をさばく手間を省いた「鮮魚らくらくセット」を共同開発した例があります。生魚の調理は不慣れ・苦手というお客様も少なくありませんので、こうした商品を増やし、少しずつ裾野を広げていきたいと思います。

「生産者とお客さまを直接引き合わせるのも面白い」と考えています。13年7月から扱い始めた北海道・仁木町産ミニトマト「愛してアイコ」の農園には、見学・昼食会としてお客さまをお招きしました。野菜を口にした消費者の嬉しそうな表情を、生産者さんが直に見られる機会を設けたかったためです。

また一方で、参加者の方々にはプロの農家の「目利き力」を体験してもらおうというもありました。素人目には赤く見えるトマトでも、実際は熟れていないケースは珍しくありません。「やはり、農家が選んだもののほうが甘くて美味しい。さすがプロだ」と納得してもらいたかったんです。

現在10の生産地とお取引きして強く実感するのは、やはり一番の情報、そして価値を持っているのは生産者の皆さんだということ。それをいかに伝えられるか、いかにローカライズができるか。それが我々のサービスにとっても成長のカギとなるのです。


(次回予告)
次は、SCRAPです。