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ヱヴァンゲリヲンとのタイアップ企画、成功のポイント―シック・ジャパン

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ファンに喜ばれるコンテンツづくり

シック・ジャパン マーケティング本部 吉沢 直大氏

シックは「Free Your Skin」をコンセプトにお客さまのシェービングがより快適で楽しいひと時になることを目指しているブランドです。

2012年の4月から実施している「シック×ヱヴァンゲリヲン キャンペーン」は、シックの持つ爽快感のあるシェービングを、ヱヴァンゲリヲンファンに喜ばれる形で表現し、通常の広告ではリーチできない消費者層への興味喚起、ブランド価値向上を狙っています。

このキャンペーンでは、消費者向けのコミュニケーションと、オリジナル商品の二本柱で展開しています。コミュニケーションにおいては、サイト上でオリジナルムービーを公開し、ファンに新鮮な驚きを提供するコンテンツづくりを重視しました。

作品の中では笑顔を見せることがないキャラクター「碇ゲンドウ」が、トレードマークの髭を剃り、満面の笑みで登場するビジュアルは話題を集め、2013年8月時点でムービーの試聴回数は400万近くにのぼっています。話題性のあるオリジナルコンテンツにより、大規模な広告投資をせずとも、ファンの話題を呼び、キャンペーンの認知を上げることができています。

ムービーではオリジナル商品の告知も行って店頭へとつなげ、販促キャンペーン期間のシェアが向上する結果となっています。魅力的な店頭演出が可能なため、大規模な売り場を獲得することができました。

キャンペーンの成功のポイント

――講演の後半は、ヱヴァンゲリヲンの著作権を管理するグランドワークス: 代表取締役 神村靖宏氏との対談を行いました。

グランドワークス 代表取締役 神村靖宏氏

吉沢 タイアップキャンペーンが成功するためには、コンテンツの選定が重要です。当社の場合は、ヱヴァンゲリヲンというエンターテインメント性の高いコンテンツが、ブランドのターゲット層に人気であり、バイラル効果や販売効果が高まることを期待して採用に至りました。コンテンツサイドから見た、タイアップ先の選定基準はどのようなものですか。

神村 コンビニやドラッグストアといった私たちが普段接していない売り場で、キャラクターを露出できる点は特に魅力でした。

吉沢 タイアップでは、コンテンツサイドとメーカーがwin-winの関係になることも大切です。メーカーは、注目の集まっているコンテンツの力を借り、それによりコンテンツの話題も高められるような関係です。

神村 映画公開に合わせて開始されたキャンペーンでしたが、ヱヴァンゲリヲンの場合は、作品の内容を出さずに映画を宣伝するという方法をとっています。今回のタイアップも、映画そのもののネタは使わずに、映画についての期待を高められるという面白い取り組みでした。

吉沢 短期的な売り上げだけを目指すキャンペーンではないので、ファンが喜ぶようなエンターテインメント性の高いものにすることで、爽快なシェービングというブランドメッセージの伝達を図りました。今回、碇ゲンドウが髭を剃るという、本来のキャラクター設定と異なることを許可されたのはなぜだったのでしょうか。

神村 作品のことを理解し、ファンへの見え方を理解した上での提案だったからです。キャラクターに本来ありえない芝居をさせているにもかかわらず、映画本編にマイナスイメージは抱かないですし、キャラクターの選定もファンを不快にさせることのない、うまい落としどころだったと思います。

吉沢 メーカー、コンテンツサイドの両方が、よりクオリティの高いものを追求したのも成功のポイントでした。その一例がオリジナルムービー。メーカーからのアイデアに対し、コンテンツサイドから、より効果的にメッセージを伝えるための提案がなされ、対話の中からより良いものができあがりました。ファンが喜ぶものをつくる上で、ブランド側がやるべきことは何でしょうか。

神村 ブランド側が伝えたいことをしっかりと持っていることが大前提です。それがなければ、キャラクターの正しい使い方ができません。

吉沢 コンテンツタイアップは、メーカーとコンテンツサイドの意思疎通も重要です。コンテンツサイドの関係値の強い広告会社への依頼もポイントでした。

神村 メーカー側と直接話す機会を設けてもらうことで、細かなニュアンスについても確認することができました。それがファンの喜ぶコンテンツづくりにつながったと思います。


次回はアキレスです。

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