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コラム

編集・ライター養成講座修了生が語る いまどきの若手編集者・ライターの生き方

「インプット」ではなく「アウトプット」

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目指したのは「年間100本」

しばらくは会社勤めを続けながらのライター業。でもいつかは独立するつもりだった。兼業だと生活的には安定するぶん、ライターとしての活動に限界がある(もちろんその逆も言えるのだけど)。不安は大きかったけど、フリーライター一本でいくことにした。

独立することを決めた年から、「エキレビ年間100本」という目標を持つようになった。実は心の中に、「自分は生まれながらのライターってタイプじゃない」という引け目がかなり強くあった。それをカバーできるのは「これだけやった!」という数や実績だと思った。

そこで出てきたのが「100本」だ。年間100本書こうとすると、一月に8本書くだけでは足りない。9本だと中途半端だから、月に10本を自分の中の目標として掲げることにした。米光さんも言っていた。「一つのテーマで100本書けるようにならないとダメだよ」。

一つのテーマではないけど、一つの場で100本書くことができれば自信につながる。
ネタを探すためスポーツ関連の書籍を片っ端から読むと、「このネタで書きたい!」という思うものが必ず見つかった。それだけじゃなく、周囲が自然と「スポーツネタなんだけど、こういうのがあるよ」と面白い情報を教えてくれることもあった。

スポーツネタだけじゃない。最初の一年間は手を挙げられるだけ挙げた。多少「畑違いかな?」「これは苦手なジャンルかも……」と思っていても、取材に行ってみると必ず一箇所は面白いところが見つかる。いや、見つけるのだ。インタビューの仕事も、得意という意識なんてまったくなかったけれど、やってみたら楽しいことばかりだった。人に話を聞いて、人を掘り下げて、自分にない考えを紹介できるのって、すごく面白い。

木田優夫選手と並走した『プロ野球選手迷鑑』

『木田優夫のプロ野球選手迷鑑』に構成として携わるようになったいちばん初めのきっかけは、2011年10月に書いた書籍『野球部あるある』のレビュー記事。記事を読んだ書籍の編集者から「こちらの意図をこんなに汲んでくれたレビューは初めて!」と言ってもらった。そこから何度かやり取りがあって、同じ編集者が担当する『野球太郎』でも仕事をすることになった。

書籍を出す企画が持ち上がると、ブレインストーミングから参加させてもらった。「名鑑を木田さんのイラストで描いてもらおう!」と決まってからは、発売まで編集部と木田さんと並走。「この選手について木田さんに描いてもらおう」「この辺りでコラムが挟まってたら面白いかも」などなど、アイデアを出しながら本を作っていった。

現在、金沢でプレーをする木田さんに会いに行ったこともある。木田さんは、今は「石川ミリオンスターズ」の選手兼営業。「選手」としての木田さんの実績・プレーについては東京にいても知ることができるけど、「営業」の木田さんは金沢に行かないと知ることができない。目のあたりにして、驚いた。街中でビラを配ったり、似顔絵をファンに描いてあげたり、試合前にマイクパフォーマンスをやったり……想像以上の営業っぷりだ!

その驚きは、本の内容にも生きている。もともと予定していた木田さんが自身の野球人生を語るページに、営業としてのエピソードも加えてもらった。あのとき金沢に行っていなかったら、もしかしたらそのページはなかったかもしれない。

去年掲げた目標は、「本を出すこと」だった。構成やライターとしての参加で、その目標は達成することができた。次の目標は「単著を出す」! 書く媒体も増やしたいし、インタビューももっとしたい。スポーツレビューの第一人者になれたらいいと思っている。

オグマナオト(ライター/編集・ライター養成講座 上級コース 修了生)「編集・ライター養成講座 上級コース」(講師:米光一成)を受講したオグマナオトさん。エキサイトレビュー、雑誌『野球太郎』などの媒体でライターとして活躍中。2013年10月に発売された『木田優夫のプロ野球選手迷鑑』では構成を担当している。

※編集・ライター養成講座 上級コース プロフェッショナル・ライティングクラス
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