営業の視点も役に立つ
すごく堅くて、頭でっかちですみません。前置きが長くなりましたが、こういう「地域の視点」を身につけられることが、地域でクリエイティブをしている最大のメリットだと感じています。
ずっと東京で過ごしていたら、頭ではわかっていても、絶対に身につかない視点だったと思います。東京と地域、その両方の経験と視点があって初めて、全国を相手にできる。そう信じています。
ちなみに僕の場合は、「営業(プロデューサー)の視点」も持っています。入社当時は、クリエイティブ職にいけなくて「世の中すべてが憎い(笑)」という気持ちで営業をしていましたが、これはこれで、7年営業をしてみないと身につかない、得難い視点を与えられていたのだと気づきました。
たとえば予算を念頭にキャンペーンを構築したり、PRを戦略的に使ったり、メディアの意識を強く持ったりと、これまでにもいろいろな営業視点が役立ちました。得意先の予算組みのタイミングなども視野に入れるので、クライアント側の担当者や経営者とも本音でガンガン話せます。
また、クリエイティブ職一筋の方は知らない、営業や得意先がクリエイターに面と向かって言えない「この企画普通だなぁ」「面白くないなぁ」と実は思っていたりすることも知っています(実は厳しい目で見ているということです)。だからこそ、「自分の中の思いついた感」で満足せずに、もっと感情を動かすものを!と頑張り続けられたりもします(とはいえまだ自分のレベルは低いですが…)。
近年、広告だけでなく、あらゆる業界で、多くの「視点」を身につけた人材が活躍しているように思います。改めて「視点」って大切だなぁと。僕はクリエイターとしてまだ全然ダメですが、いろいろな「視点」を武器に活躍できればいいなぁと考えています。
そして、東京のクリエイターは一度地域へ。地域のクリエイターは一度東京へ。この循環が活発になると、クリエイター皆にいろいろな視点が身に付くので、日本の広告がもっと「効いてくる」気がします。
なんだか、僕ごときがいろいろ生意気なことを言ってしまって申し訳ありませんでした…。このコラムも一つのきっかけに、もっともっと頑張ります。あ、くどいようですが、クリエイティビティは大切です。地域は特にアイデアが命。予算を背景にしたクオリティで逃げられませんから。
長文におつきあいいただき、ありがとうございました。
異論・反論どんどんください!
河西智彦(博報堂関西支社 クリエイティブディレクター/CMプランナー/コピーライター)
1999年入社。主な仕事に、UHA味覚糖グミガーム テレビCM、スペースアド、ひらかたパークキャンペーン全般、トヨタヴェルファイア、岩手日報IWATTE、ヤンマー、大阪経済大学など。カンヌライオンズ金賞、スパイクスアジア金賞、アドフェスト銀賞、グッドデザイン大賞、朝日広告賞準グランプリ、ACCシルバー・ブロンズ多数、TCC新人賞、OCC最高賞、CCN賞、消費者のためになった広告コンクール金賞、東京インタラクティブアドアワードシルバーなど受賞多数。入社後7年間営業職を経験し、その後制作に職転して7年。営業時代のキャンペーン構築ノウハウと視点を活かし、テレビCM、グラフィック、キャンペーン構築、PR、プロモーションなど『効く』手口はすべて企画立案実行する。コピーライター養成講座大阪講師。
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