福岡・北九州のタイヤ通販会社AUTOWAYの冬用タイヤ訴求のためのオンライン動画「雪道コワイ」が、公開後1カ月弱で650万を突破し、海を越えて波及している。
「【閲覧注意】雪道コワイ」
同CMは11月の中旬に公開され、“怖すぎるタイヤCM”として話題に。のべの視聴数は220以上の国と地域で、いまも世界でバイラル中だ。国内のニュース番組などで露出しただけではく、FOXニュースなど世界の主要メディアも「日本の怖すぎるタイヤCM」と紹介されている。
ソーシャルビデオマーケティングを手掛けるUNRULY社が運営する「VIRAL VIDEO CHART」では、世界のバイラル広告ムービーランキング第3位にもランクインした。
「AUTOWAY」はネット通販でタイヤの販売を行う企業だ。この動画は、“タイヤのネット通販”というシステムの認知を広げるため、冬用タイヤの販促期に併せたプロモーションとして展開された。限られた予算内で認知を最大化させるため、媒体費をかけずに話題を広げる方法として、オンライン動画を選択した。
だが、なぜここまで話題化することができたのか。制作を担当したBBDO J WEST プランナーの眞鍋海里氏に話を聞いた。
「視聴者心理をとことん研究し、演出方法を極限まで追求しました。
具体的に演出の研究材料にしたのは、フェイクドキュメンタリー系のホラー映画。『パラノーマルアクティビティ』や『REC』、『ブレアウィッチプロジェクト』を研究しまくりました。それと、純粋なリアルな心霊現象ムービーをいくつも見ています。
その結果わかったことは、“間”がとても大事だということ。『雪道コワイ』では、車が止まって雪女が飛びかかってくるまでの“間”に一番こだわっています。遠くにいる雪女に視聴者が気付き、意識がすーっとそっちに向かう瞬間にカウンター的に飛びかかってくる、という演出はかなり計算しました。
それから、素人投稿動画風に見せるかにもこだわっています。あえて画質を荒く処理したり、手ぶれ感、ノイズを入れたり。苦労したのは雪道の再現で、雪国でロケできる予算はなく、10月末の福岡撮影だったため、すべてCGで再現したのですが、画質が荒いのが逆に功を奏した結果になりました」
真鍋氏は、企画段階から下記の3つのインサイトを狙い、動画を制作したという。
- 海外の方にもわかるものを。
- 『閲覧注意』は人を引きつける。怖いもの見たさ、見るなと言われると見たくなる。
- 自分がビックリすると他人の反応も見てみたい。
この3つのインサイトをちゃんと設計すれば、ある程度拡散される自信はあったが、それでも現実は予想を上回っていた。「SNSの拡散パワーを実感する結果となった」と真鍋氏。オンライン上の人々のインサイトに狙いをきちんと定め、しっかりと作り込むことで、結果が出せることを証明した事例となった。
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