マス4媒体は微増 NISA特需などで「金融・保険」の出稿活発に
電通は20日、2013年の広告界の市場規模を推定した「日本の広告費」を発表した。それによると、昨年の国内広告市場は前年比1.4%の5兆9762億円で、2年連続で増加した。12年は5年ぶりにプラスに転じたが、「アベノミクス」効果や消費増税前の駆け込み需要を受けて、引き続き堅調に推移した。
前半(1~6月)は広告市場の動きは鈍かったが、後半(7~12月)は勢いを取り戻した。
媒体別に見ると、テレビは0.9%増の1兆7913億円で2年連続で増加した。内訳は、タイム広告費は0.7%減の7142億円、スポット広告費は2.0%増の1兆771億円だった。業種別では、通販型保険やNISA関連需要を受けた「金融・保険」(前年比127.6%)と好調。「不動産・住宅設備」(同114.6%)、「飲料・嗜好品」(同105.3%)などが増加した。
新聞は1.2%減の6170億円。昨年1~5月は前年割れが続いたが、6月以降に回復した。業種別では「自動車・関連品」「金融・保険」で大幅に増加したほか、高級腕時計などの出稿も増加した。雑誌は、2.0%減の2499億円。主力の「ファッション・アクセサリー」は101.3%と健闘した。ラジオは0.2%減の1243億円。消費増税前の駆け込み重要を狙った「不動産・住宅設備」(同116.9%)が好調だった。
マスコミ4媒体広告費は0.1%増の2兆7825億円と微増にとどまった。
衛星メディア広告費(同109.6%)は前年のように2ケタ増には届かなかったが、引き続き好調を維持した。内訳は、BSが同113.8%、CSが同103.3%。業種別では通販が好調だった。
「運用型広告」が急成長 21.6%増に
インターネット広告費は前年比8.1%増の9381億円。内訳は、媒体費が7203億円(同108.7%)、制作費が2178億円(同106.2%)。
媒体費は、13年は前年を上回る伸び率で成長した。そのうち検索連動型広告やDSP/アドエクスチェンジなどの「運用型広告」が4122億円(同121.6%)と高い成長率を示した。スマートフォンやタブレット端末の普及拡大も追い風となり、主力の「金融・保険」のほか、「自動車・関連品」「食料」などの出稿が増えているという。一方で従来の枠売り広告は横ばいにとどまった。
制作費は前年を上回っているものの、成長率は鈍化傾向にある。業種別では「不動産・住宅設備」のほか、「金融・保険」「化粧品・トイレタリー」などが成長した。
プロモーションメディア広告費は0.1%増の2兆1446億円でほぼ横ばい。モーターショーなどの展示会やデジタルサイネージなどが成長に寄与した。「POP」(同106.0%)、「屋外広告」(同102.5%)、「交通広告」(同101.5%)などが好調だった。
このほか業種別広告費では、21業種中8業種で増加、13業種で減少した。特に大幅に増加した業種としては、「金融・保険」(同115.6%、通販型保険商品、NISAなどが増加)、「外食・各種サービス」(同110.3%、法律サービス・女性用ウィッグなどが増加)の2業種が2ケタ増となった。
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