ショールーミングとオムニチャネル
このオムニチャネルが出てきた背景は、ショールーミングと言う現象にあります。ショールーミングとはリアル店舗で実物を確かめてから、その店舗で買わないでインターネットで同じ商品をなるべく安く買うような消費行動のことです。これによって北米はかなりのリアル店舗主体の流通企業が倒産の憂き目にあいました。
オムニチャネルとはその現象に対抗すべく流通企業が考えた方法論で、基本的にデジタルのタッチポイントを最大活用して、ショールーミングも買い方のひとつとして取り組めるように考え出されたものです。
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たとえばショールーミング前提で店舗に来た場合でも、その流通企業が持っているECで買ったほうが継続的な利便性が高くなるようなサービスを提供します。たとえばその商品の欲しい色やサイズの在庫が店頭になかったら、その日の午後には自宅に配送するようなサービスです。その意味でオムニチャネルとは、複数のチャネルを個別に管理するマルチチャネルとは異なり、消費者を中心としてひとつの統合されたマーケティングを意味します。
マルチがそれぞれのチャネルを並行して最適化を図るのに対して、オムニチャネルは、複数のチャネルを消費者がまたがって利用して価値を高めるイメージです。
オムニチャネルは「お客様が神様」
その意味でオムニチャネルの言う「オムニ=神」とは、実は消費者そのものを示しています。流通企業が複数店舗を持っていようが、ECがあろうが、アプリをやっていようが、それらがバラバラのIDやポイントで管理されるのではなく、その企業と消費者が一対一で最大の価値を引き出すようにデザインすることが基本だからです。
「お客様が神様」であってこそ初めてオフラインもオンラインも意味のあるチャネルになるという意味がオムニチャネルの本質なのです。
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