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クリエイター総マーケター時代に生きる僕らのマーケティング

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あるメーカーからSNSを活用したプロモーションを依頼された時は、インフルエンサーやブロガー、クリエイターを150人ぐらい集め、商品に関する情報をあらゆるオンライン上へプロットし、それをまとめ、リブログ・リツイートしてもらうことで情報の点を線にする、ということを行いました。

その時に工夫したのは、例えばインスタグラムなら写真のトリミングに基準をもうける、フェイスブックはワンセンテンスで投稿してもらう、ブログは主観で自由に書いてもらう、などといったように、情報の見せ方をある程度コントロールすることで頭にスッと入ってくるようにしたことです。インターネットでプロモーションを行う場合は、情報の置き場にあわせた編集がポイントになってきます。

クリエイターは自分自身でサイトを作ったり、SNSを活用している方が多いと思いますが、それは言い換えれば、そのツールを良く理解していて、情報の届け方を知っているということ。

普段からそれらのツールにふれている経験が、仕事にも生きてきます。特にディレクターやプロデューサーには、どこに情報をのせれば広がっていくか、そのツールを媒介としたコミュニケーションを考えていく必要があるでしょう。リサーチから制作、プロモーションまで、トータルに設計していくことが求められています。

昨年、ニューヨークのR/GAを訪問し人事の方と雑談していた時に、最近のR/GAでは、SNSでプライベートと仕事の間に境を作る人は雇わない傾向があり、プライベートと仕事がグレイゾーンでつながっている人、自分の仕事やプライベートをSNSにどんどん発信していく人を雇っている、という話を聞きました。

個人個人が発信者という意識を持っていることが会社の発展につながり、オープンな意識をもっていれば仕事も楽しくできるという理由です。たしかにプログラマーが自分の仕事をシェアし、その反応から新しい発見を得て、良い循環が生まれていくといったことは、実際にありますよね。

今の時代はいわゆるマーケターと呼ばれている人だけではなく、開発者や制作者も情報の発信者であり収集者、もしかすると、皆がマーケターになりうるのではないでしょうか。

今はインフラも整っており、そういうことができる状況にあります。

インタラクティブの制作に関わる皆さんがそういう意識を持っていると、小さなコミュニティ内でのやりとりが外に広がり、業界全体、さらにその外のフィールドの活性化にもつながっていくのではないかと思います。

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小池 博史
イメージソース 代表取締役
テクノロジー、デザイン、アートに精通し、最先端の技術を取り入れたデザイン性の高い作品を得意とする。Tokyo Interactive Ad Awards、Cannes Lionsほか国内外のクリエイティブ・アワードを数多く受賞。近年は、ウェブ、インタラクティブ・インスタレーションに加え、プロダクトやサービスの開発にも意欲的に取り組み、また上海オフィスを基点としたグローバル展開を加速させている。
4/中旬にオープンラボを開催予定です。詳しくはfacebookをご覧ください。


【インタラクティブクリエイティブマスターコース】特別連載
第1回 「宮崎駿監督の引退会見にみる、心を動かすコミュニケーションの変化とは」
 ――澤邊 芳明(ワン・トゥー・テン・デザイン社長)
第2回 「インタラクティブなクリエイティブの企画の出し方のヒント」
 ――木下 謙一(ラナエクストラクティブ 代表取締役CEO/クリエイティブディレクター)
第3回 「Co−Creative = 協調型プロジェクトのすすめ」
 ――阿部 淳也一(ワンパク代表取締役 クリエイティブディレクター)
第4回 「音楽から考える、理想のクリエイティブ・チーム」
 ――村田 健一(ソニックジャム 代表取締役 チーフプロデューサー)
第5回 「インタラクティブクリエイティブにおける裏の最新技術」
 ――遠崎 寿義(ザ・ストリッパーズ 代表取締役社長/クリエイティブ・ディレクター)
第6回 「朝起きてまず、することは?ーテクノロジーが生活の一部となった消費者にいかに情報を届けるか」
 ――築地 Roy 良氏(BIRDMAN 代表)
第7回 「クリエイター総マーケター時代に生きる僕らのマーケティング」
 ――小池 博史(イメージソース 代表取締役)こちらの記事です

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