メール受信設定のご確認をお願いいたします。

AdverTimes.からのメールを受信できていない場合は、
下記から受信設定の確認方法をご覧いただけます。

×
コラム

IMCは3.0へ――日本企業に必要な「REAL MARKETING」

ビックデータで「イノベーション」は起こせるか?

share

イノベーションを起こすのは人の英知

かの、スティーブ・ジョブズはこんな名言を残しています。

“消費者に、何が欲しいかを聞いてそれを与えるだけではいけない。製品をデザインするのはとても難しい。多くの場合、人は形にして見せて貰うまで自分は何が欲しいのかわからないものだ”

自分のインサイトは時に消費者自身もよくわかっていないものです。ソーシャルメディア上のつぶやき、コメントにしても、自分でも明確に意識していない本当の“欲求・願望”をダイレクトに口に出すことなどできるはずがありません。需要創造のキーとなる消費者インサイトそのものは生データとしては存在しないのです。ただし、間違いなくそのビックデータの中にそれを読み解く多くのヒントが眠っています。消費者は“何が欲しいか”は言えなくても、その“何を解決したい”“どうなりたい”という生声からインサイトを推察することは可能です。

そこで今、注目されているのが高い分析、計算能力と現場におけるデータ収集などビジネススキルも併せ持ったデータサイエンティストの存在です。しかし彼らが膨大なデータから確率の高い答えを導きだすために不可欠なのが精度の高い仮説という分析の軸です。そして、どんなにデータの解析技術が進んでもテクノジーだけでこの仮説を立てることは不可能です。膨大なビックデータを生かすたまにも、最後は人間が持つ創造性というアナログなストーリー構築の能力こそが最も重要なのです。

そして、それを司るのはクリエイターでありストーリーテラーでもある、マーケターの役目であるということを改めて認識する必要があります。

新市場の創造というイノベーションを起こせるのはデータだけでもテクノロジーだけでも十分ではなく、最後はクリエイティブな人間の英知であるという事を我々は決して忘れてはなりません。