【前回の記事「代理店に任せること、自社内でやるべきこと」はこちら】
「買う」ことから始まるコミュニケーション
私はマーケティング施策の本質とは、購買ファネルのどこにどれだけ投資するかを決めて実行することに尽きるのではないかと考えている。
新商品を市場に問うのであれば、まずは「認知(Awareness)」に投資するのが当然だろうが、ある程度の市場浸透を経た後は、リピート、リテンションに投資する、あるいは流通対策に投資するなど、自社商品が置かれている状況を鑑みて、様々なプロセスの中でも、どこに重点投資するかを明確にしなければいけない。どのプロセスからどのプロセスへの歩留まりが悪いかは、ブランドによって異なる。認知率が高ければ、そのまま購買が多いとは限らず、またその認知も特に日用消費財の場合は、店頭での購買経験によって得られる場合も多く、認知は必ず広告で得られるものとは限らない。
逆に「広告」は認知獲得のためだけでなく、リピート促進や流通で棚を獲得するためなど様々に機能しているケースが多い。しかしながら、多くの企業で広告による認知から始まる購買ファネルを基点にマーケティング施策が考えられているのではないだろうか。
消費者は、常に購買ファネルどおりに、顧客となりリピート購入してくれるわけではないので、商材によっては「認知」からスタートするモデルだけでなく、「購買」から始まるストーリーを描いてマーケティング施策を企画実施することも大事だ。