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コラム

アドタイ・デイズ 2014 事務局

日本の企業を、地域を元気にする!いま真価を発揮する「ブランディングデザイン」とは/アドタイ・デイズレポート(14)

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「広告界の未来を構想する」をテーマにしたイベント「AdverTimes DAYS(アドタイ・デイズ)2014」(主催・宣伝会議)が4月15日と16日、東京国際フォーラム(東京・千代田区)で開かれ、2日間で9,802人が来場した。
本欄では、広告主、広告業、メディア、クリエイターなどの垣根を超えて広告界の未来を本音で語りつくした2日間のセミナーの一部を紹介します。

【E8】4月16日(水) 16:40~17:20
日本の企業を、地域を元気にする!
いま真価を発揮する「ブランディングデザイン」とは

<登壇者>

  • エイトブランディングデザイン ブランディングデザイナー 西澤 明洋 氏

エイトブランディングデザイン 西澤 明洋 氏

「ブランディングデザインで日本を元気にする」というコンセプトのもと、企業のブランド開発、商品開発、店舗開発といった幅広いブランディングを、デザイン面からサポートしてきたエイトブランディングデザイン。キリン 生茶やクラフトビールの「COEDO」、抹茶カフェ「nana’s green tea」、料理道具店「釜浅商店」、手織りじゅうたん「山形緞通」など、日本全国、数々のブランドを成功に導いてきた。

本講演では、同社代表の西澤明洋氏が、リサーチからプランニング、コンセプト開発まで一貫して手がける「ブランディングデザイン」の手法・考え方について紹介した。

ものがあふれる成熟した国内市場において、消費者に自社商品を選び取ってもらうには、差別化が不可欠だ。西澤氏はブランディングを、「ある商品・サービス、もしくは企業全体としてのイメージに、ある一定の方向性をつくりだすことで他社と差別化すること」と定義する。

「差別化とは、競合商品との違いを顧客に正しく伝えることであり、ブランディングはそのための『伝言ゲーム』のようなもの」と西澤氏。「伝言ゲーム」を成立させるためには次の3つのポイントを押さえる必要があるという。
(1)それが良い商品だと信じ、熱い思いを持って伝える人物がいるか
(2)商品そのものが、売れ続けるような良質なものか
(3)コミュニケーションのプロフェッショナルチームがあるか
この3つがバランスよく揃って初めて、伝言ゲーム=ブランディングは成功する。

さらに、独自のデザイン開発手法「フォーカスRPCD®」についても解説。同手法は、「R(Research:リサーチ)」、「P(Plan:プランニング)」「C(Concept:コンセプト)」「D(Design:デザイン)」というブランディングの各段階で、最も重要な1点に「フォーカス」することを重視する。

「あれもこれもと、たくさんのキーワードを言おうとすると、伝言ゲームは失敗してしまう。顧客に覚えてもらいたい強みを1点に絞ることが、コミュニケーションを一人歩きさせ、伝言ゲームの速度を上げるための秘訣」と西澤氏。

同氏が手がけた、クラフトビール「COEDO(コエド)」のリブランディングでは、「地ビール」という従来のポジションから脱却、ビール市場に「プレミアムクラフトビール」という新たなポジションをつくり、ロゴマークやパッケージデザインでそのアイデンティティを確立させた。

2007年には、モンドセレクションのビール部門において、同ブランドの5銘柄「紅赤」「瑠璃」「伽羅」「白」「漆黒」すべてが最高金賞を含む賞を受賞したほか、ブランド名を冠した毎年恒例のイベント「コエドビール祭」は、現在では7000人あまりの人が参加する一大イベントとなるなど、ブランドとしての地位を着実に高めている。