【前回の記事「惜しい!違和感の扱い方——《逆手に取って》アピールを」はこちら】
今回は、“誰に向かってモノを言ってるんだよ型”ケースです。道端のゴミ置き場に実在する掲示[写真左]と、そこからなるべく忠実に単語を拾い出して圧縮した[写真右]。実際にヨソ者がゴミを持ち込んでここに捨てようとした瞬間、パッと見て、どちらの方が抑止効果があるでしょうか。
不法持ち込みをする輩は、断固排除したい。でも、このゴミ置き場を使う資格のある人達にとっては、自分達がゴミを捨てる姿が複数のカメラで見つめられるのは、かなり不快。思慮深い管理人さんはその板挟みで、こんな妙に丁寧な掲示を書いてしまったのでしょう。
もしそうなら、《掲示をターゲット別に分ける》ことで、解決できませんか? 低姿勢にカメラ設置の理解を求める相手は、もちろん不法持込み者ではなく、この掲示が貼られているビルの住人やテナントさんですよね。ならば、その部分のお知らせはビル内の掲示板に「入居者の皆様へ」といった形で別に貼り出した方が、より誠意が示せます。現在の表示の前半を、ただ丸ごと移設して、
「対象者以外の方の、ルールを守らないごみの持ち込みが後を絶たないため、誠に不本意ですが外壁のごみ置き場に監視カメラを複数台設置させて頂きました。何卒ご理解をお願い申し上げます」といった文面で。
一方、ゴミ置き場の方には、あくまで単刀直入に、[写真右]のように不法者に対する警告だけをズバッと掲げる。こうやって相手を絞り込むと、“伝える掲示”が“伝わる掲示”に一変します。
あなたの書いた掲示がどうもマドロっこしかったら、無意識に二兎を追っていないか、ちょっとチェックしてみませんか。
あなたが街で見かけた、ビミョーに伝わらないおしい看板。自分で作ってみたけれど、今一つ手応えがないおしい掲示。そんな実例の写真を、簡単な状況説明を添えて「kouhou@sendenkaigi.co.jp」までお送りください。採用されたコンテンツに対し、下村氏が当欄でアドバイスいたします。
「街中の“おしい”をレスキュー!」バックナンバー
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