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コラム

i(アイ)トレンド

話題のニュースキュレーションアプリ動向(2)「収益源の柱、ネイティブアドに期待」

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コンテンツを生成する必要のないビジネスモデル

ニュースキュレーションサービスはどのようなビジネスモデルなのか。簡単に言うと広告モデルがメインで、ページビューを稼いだ上で広告を配信するというものである。これでは従来のポータルサイトとあまり変わらないと思う方も多いかもしれないが、各社はスマートフォン対応に合わせた各種の工夫をしている。スマートフォンは画面が小さく、バナー広告は視認性を含めて広告主の求める効果を得にくいという難点があるからだ。

そこで登場したのが広告も記事の様に見える“ネイティブアド”という手法である。ごく簡単に言うとネイティブアドとは記事のように見える広告コンテンツのことであり、ユーザーも自分の興味に会った形で広告をコンテンツとして消費するのである。

Native ad Summitを展開するSharethrough社では Native ads match the visual design of the experience they live within, and look & feel like natural content.
[ネイティブアドはそれの存在するデザイン及びユーザー体験とマッチして自然なコンテンツと感じられねばならない]
としている。

パソコンのバナー広告は面積を取れるために視認性の高くクリック率も高い広告展開が可能であったが、スマートフォンでは画面が小さいので記事を紹介するように広告へのリンクを張りネイティブアドへ誘導するのである。ネイティブアドは記事の形を取ることが多く、IPG Media Lab and Sharethroughの調査によると広告の効果も高いということである。

以下に掲載されているのはグノシーとAntennaのネイティブアドの事例(グノシーは最上段のコンテンツがネイティブアド)だが、皆さんの印象はいかがであろうか。

Antenna

Antenna

グノシー

グノシー

なお、Antennaでは掲載されたネイティブアドは広告主が許せば広告期間が終了しても取り下げず、コンテンツの一部として残るという方式も採用しているという。

また集客のための記事コンテンツは、すでに存在する記事を基本的に機械的に集めてくるので、自社でのコンテンツ生成は形を整えたりまとめたりということ以外行なわないと言ってもいいだろう。コンテンツホルダーには一定のコンテンツ費用のほかに広告の売り上げもシェアされることもあるので供給側は人気コンテンツがあれば大きな収益源となりえるのである。

記事などのコンテンツは自社サービスのスタイルに自動的に編集され、どんな人にどのような記事を配信すると有効かというロジックが裏で働いている。例えばGunosyは Gunosy Adsという読者の興味関心に応じて入札できる広告商品を投入している。従来のいわゆるポータルサイトもニュースは掲載しているのであるが、個人の趣向や過去の動向から記事を配信する事は当初はあまり行なわれていなかった。

実際にはもっと複雑ではあるが単純化した広告モデルの比較を作ってみた。

chart1

 
このように、スマートフォンをベースに伸ばしているニュースキュレーションアプリは独自のビジネスモデルを根拠に資金を集めユーザーも伸ばしている。一方でNewsPicksなど一部サービスでは既存メディアの編集者を取り込み、有料コンテンツを展開するなど独自の動きを見せているが、こちらは機会を見て別途紹介したい。

スマートフォンをベースにしたサービスはモデルが確立すればスケールするのも早く、LINEのように国際展開も考えられる分野である。この分野での勝者は誰になるのか。日本での拡張競争が世界に広がってゆく日は来るのであろうか?など興味は尽きないのでしばらく目が離せない分野になりそうであり楽しみである。