広告コミュニケーションに関わる人ならば、誰もが気になる「アイデアの生み出し方」と「プレゼンの仕方」。この2つをテーマに、ワンスカイの福里真一氏、博報堂ケトルの木村健太郎氏、POOLの小西利行氏の3名のクリエーターが語るトークショーが、9月9日に電通ホールで開かれた。3時間におよぶトークライブの抄録をお伝えする。
アイデアの出し方、どうしてる?
福里:
今日話す3人は、なぜかそれぞれアイデアとプレゼンの本を書いています。木村さんは『ブレイクスルー ひらめきはロジックから生まれる』、小西さんは『伝わっているか?』、私は『電信柱の陰から見てるタイプの企画術』『困っている人のためのアイデアとプレゼンの本』を出しました。そんな共通点もありつつ、この会場のレイアウトを見ても分かる通り、微妙な溝もある(笑)。木村さんは、海外に強くて、広告賞もいっぱい取って、審査員もやられている。私の方はずっと日本のお茶の間風のCMを作ってきたわけで、そういう意味では真逆な存在でもある。そんな最先端っぽい博報堂ケトルでは、普段どうアイデアを練っているんですか?
木村:
ケトルの打ち合わせの方法を、僕たちは“重ねる発想”と呼んでいます。誰かが案を出して、スルーされたら、それはダメなアイデア。「それってPRでいうとこうなるよね」「アプリもできるね」みたいに誰かが便乗しだしたら、いいアイデア。全員の“ワクワクメーター”が上がったら何か言おうよ!という感じですね。単に案を持ち寄って選ぶだけの会議や、一つのたたき台をいじっていく会議と違って、自分では思いもよらなかった地点までたどり着けるのがいいところです。
