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カンヌ グランプリ受賞多数のトップクリエイターに特別インタビュー ――“good”でも“Great”でもだめ。目指すのは“Iconic”だ

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——アウトドアメディアに限らず、広告・クリエイティブ業界の潮流として気になっていることはありますか。

広告は従来、アウトドア、プリント、テレビ、デジタルと、メディア毎にタテ割りになっていましたが、今はその境界線が非常に曖昧になってきています。メディアの活用方法が格段に多様化しているのです。それによって広がるコミュニケーションの可能性を最大限に享受するために、エージェンシーもクライアントも、この新しいメディア環境を十分に理解する必要があると思います。できることが増えたからと言って、色々なことに少しずつ予算を投下することで、何となく全体がぼやけてしまうと事態は避けなければなりません。そのためにどうすべきか、明確な答えは、まだ出ていないのですが……。

とは言え、クリエイティブの仕事をするには、今が歴史上最高のタイミングだと思っています。我々は、できる限り、「これまでに前例がない新しいことに、積極的にチャレンジしてみましょう」とクライアントに提案するようにしています。そうしたことに、エージェンシーとクライアントが一緒になって取り組むことで、より効果的・効率的な方法を見出していけるのではと思います。いまこの時代に、変わっていくことを拒否しては、後れをとりますし、変化の波に飲み込まれてしまいます。

——広告・コミュニケーションには、表現のインパクトや美しさのみならず、効果・成果がますます重視されるようになってきていますが、そもそも、効果とは何だと捉えていますか。

非常に難しい問題です。カンヌにおいても、効果・成果をどう測るのかということを明確に定められておらず、非常に曖昧な状況です。まず、売上は分かりやすいですよね。広告を投下することで広告主の売上が上がる、ということは確かにあり得ます。ただ、広告を投下すると同時に、他の商品の値下げを行ったとしたら?何が直接、売上に貢献したかは、正直なところ分かりません。逆に、「広告が素晴らしかった」という評価があったとしても、店頭販促もとても効果的だったという事実があったとすれば、広告が単体でどれだけ売上に貢献したのかは、やはり分からない。
少なくとも、素晴らしいクリエイティブは、売上向上なりブランド認知向上なり、確実に大きな成功につながるということは言えると思います。

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