ネット社会の新しいプレゼンテーション手法
難解なテーマをストーリー動画で理解させてしまうサービスがある。2008年にドイツで生まれたsimpleshow(シンプルショー)がそれだ。どんなに複雑なことでも3分程度の「解説動画」に集約して説明してしまう。制作実数は世界で4000本以上。2014年1月には日本法人simpleshow Japanを開設した。現在は日本を含め世界9カ国に拠点を置いている。クライアントにはP&Gやリクルートホールディングスなど国内外を代表する企業・団体が名を連ねる。
simpleshow Japan代表取締役の吉田哲氏は、「ブロードバンドの普及やデバイスの進化で、解説動画市場は海外を中心に急速に伸びています。プレゼンテーションの現場では、パワーポイントやカタログなど従来のツールではなく、始めに解説動画からスタートする動きが進んでおり、欧米では専門の制作会社も増えています」と話す。
simpleshowは、コンサルティングファームのような独自フレームワークを、動画制作に取り入れている。基本パターンは、切り抜いたイラストを手で並べ、絵本の読み聞かせのように物語として見せていくというもの。最大の特徴は、その手法が科学的根拠に基づいているという点だ。
創業者はドイツのシュトゥットガルトの国立メディア大学でインターネット社会における新しいコミュニケーションツールの研究をしていた3人の学生。彼らは現在も大学や関連研究機関と共同で、映像表現と心理変容の関係性を多角的なアプローチで研究を進め、究極の解説動画の形を追い求めている。それらは社内の研究・教育機関である「simpleshowアカデミー」によって随時共有され、世界中のsimpleshowメンバーは、常にアップデートされているノウハウを活用することができるという。
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