広告はテレビからオンライン動画へシフト
——今おっしゃったようなマーケティングの自動化がひとつトレンドとしてあると思いますが、それ以外にもアメリカでのトレンドがあれば教えてください。
まず、少し前にはEコマースの流れがあったと思います。メーカーを中心とする企業が、Eコマースを自ら行うことで生活者と直接コミュニケーションできるようになることに気付き、Eコマースに取り組むブランドが多く出てきています。
また、「ビッグデータの活用」ということも、今後も続く大きなトレンドと言えると思います。それも単に顧客のターゲティングを行うというだけではなく、製品開発にまで活用しよういうのが現在の流れになっています。さらに、広告を顧客の状態に合わせて掲出するためにビッグデータを活用するのも現在のトレンドと言えます。
続いて、マーケティングの自動化の波についてお話ししましょう。まず、現時点では「相手が誰なのか、どこにそういう人がいるのか」という、ターゲティングの部分を精緻に行えるようになっています。次はその上に効果的なクリエイティブを乗せることが求められます。例えば「今どこにいて、どういう環境にいるのか」という文脈を踏まえて効果的なクリエイティブを乗せることで、広告への関心・反応をさらに高めることができます。
今お話しした内容を、AOLでも実際にテストして実証してみました。つまり、顧客が今どこにいるか、場所を特定してその顧客に合ったクリエイティブを乗せたところ、トランザクションそのものの量が30パーセント増加したのです。
これに関連して当社には「Pictela(ピクテラ)」というツールがあります。これは動画や静止画像、FacebookやTwitterなどの表示を組み合わせて、リッチメディア広告を簡単に制作できる広告配信プラットフォームです。これを活用することで、生活者に合ったコンテンツの表示が可能となります。つまり、テクノロジーによって拡張性が非常に高くなるのです。もしこれをマニュアルで行おうとしたら、A/Bテストのように「どちらが良いですか?」という限られた選択肢の中ででしかできないでしょう。ツールを活用することで複数の限りない選択肢を出し、そこからベストなものを選び、成果につなげられるのです。
米国では、動画も非常にトレンドとして伸びておりまして、テレビからオンラインの動画へと生活者が移っているという傾向が日本でも見受けられます。現在の我々の米国でのポジションは、YouTubeとHuluのちょうど中間といったところでしょうか。米国では特に、テレビCMに使っていた広告費用がどんどんオンライン動画へと移っています。まだ日本ではそこまでではないと思いますが、近々環境が整えばこの流れは避けられないと思います。
——今後、日本ではどういったかたちでAOLプラットフォームとしての事業を進めて行きたいとお考えでしょうか?
一気にやるのではなくて、日本の市場の成熟度を見て、どの部分を入れていくのかを決めていきたいと思います。当面は「AdLearn Open Platform(AOP)」と「Adap.tv」、この2つから始めていきます。実際に広告会社、メディア会社にこの2つのツールに慣れていただきながら、次々と新しいツール・サービスを提供していきたいと考えています。我々にとって日本は非常に重要な市場なので、着実に進めていきたいと考えています。
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