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DIY型(セルフ型)リサーチシステムとは?

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社内にデータとノウハウを蓄積

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セルフ型リサーチのサービスの中にはパネル(リサーチ会社が保有するモニターの集まり)を利用できるサービスもありますので、競合商品の利用ユーザを対象者として抽出し、アンケート調査を実施するような使い方もできるでしょう。

こうして収集し蓄積したデータは、企業にとって商品開発や顧客サービス、販促活動に有効に活かすことができる資産となります。

そして実は、このようにリサーチから得られる知見とノウハウを長期にわたって社内に貯めていけることにこそ、自社内でリサーチシステムを運用していくことの大きな利点があります。

リサーチシステムを導入することにより、全てのデータはクラウド上で一元管理できるようになります。過去に実施したアンケートの調査票をフォーマット化して別の調査に利用することや、同じ内容の調査を定期的に行って消費者ニーズの変化を定点で観測するようなことも可能です。

これまで企業が抱えていた、部門ごとで別々に調査を依頼していたために回答データが共有されていない、調査の内容も把握できていない、といった問題が解決され、企業全体で効率的にリサーチデータを活用していくことが可能になるのです。

消費者を多面的に理解する

このようにDIY型(セルフ型)リサーチシステムの登場は、時間的・予算的な制約の中で取捨選択を余儀なくされてきた企業にとって、データを収集するための身近な選択肢を得たと言えると思います。

そして「セルフ化」の潮流は、今後インターネットを利用したアンケート調査に限らず、マーケティングリサーチの他の手法にまで及んでいくことが予想されます。すなわち消費者の生の言葉や行動など、数値化できないデータの収集を目的とした領域です。

以前はインタビューなどの、対人によってしか実施できなかったアプローチをオンライン上のコミュニケーションを通して代替しようという試みが、実際に様々な調査手法としてすでに登場してきています。

DIY型(セルフ型)リサーチシステムは今後、こうしたマーケティングリサーチのあらゆるソリューションを搭載し、多彩な手法を組み合わせて様々な角度からマーケットを把握するためのプラットフォームへと進化していくと私は考えています。

消費者ニーズが多様化した現代において、これらの最新テクノロジーを活用して消費者を多角的に理解することの重要性は、さらに高まっていくのではないでしょうか。

織戸恒男 GMOリサーチ 常務取締役チーフ マーケティング オフィサー
上智大学卒業後、大手百貨店を経て、外資系エージェンシーなどで消費者調査のビジネスに従事。2010年にGMOリサーチの取締役に就任、GMOジャパンマーケットインテリジェンス取締役副社長を歴任し、2013年より現職。