【前回のコラム】「宣伝部員が「企業マーケター」になるために~まずは自社の広告活動の「評価」(ROI分析)は自社でやろう~」はこちら
データから、シナリオ設計につなげる力
ここ最近、DMP(データ・マネジメント・プラットフォーム)を導入したいという企業からの声が増えていると感じる。私はそうした企業に対して、日本のDMP草創期から導入コンサルをしてきたが、その経験を通じて感じているのは「DMPは導入期と運用期でずいぶんと様相が変わってくる」ということだ。
実際にデータ(まずは1stPartyデータを徹底的に)を分析することになるのだが、それにより分析の基盤が構築できたとしても、「価値のある分析」とは実際に「施策」に繋げて成果を出すことでしかない。どれだけ緻密な基盤ができたところで、それが成果につながらなければ、当然ながら意味はない。
このところ、SIer系のDMPを推進する企業から「データ分析官を育成・採用し、分析にあたらせているが、なかなか価値の高い分析結果=“シナリオ設計”ができるところにまで至らない」という課題を打ち明けられるようになった。つまり統計や数学に強い、数字をいじることに慣れている人だけでは「シナリオ設計」は難しいということだ。
当然と言えば当然で、マーケティングの施策(つまり何らかの打ち手)を企画実行した経験がある人でないと、「シナリオ設計」のイメージはつかめないということはあるだろう。