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「マーケッターとデータサイエンティストが組むと何が起きる?」——『売れるロジックの見つけ方』発売記念、共著者特別対談<第1回>

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マーケッターの案をLPOで補強・検証していく

山本:LPOの使われ方って、まだまだ限定的だと感じています。LPOという名前からしてウェブサイトの縦長のページでしか使えないように思われていますが、私たちが開発したLPOツールは、メインサイトにおいても活用していただけますし、本の中にも書かれているように、このツールにより発見した『売れるロジック』をLP以外のメディアや販売の場おいてご活用いいただければ、そこから得られる価値や利益はLP上で得られる価値や利益を遥かに凌駕するはずです。

後藤:「こんな手もあるかもしれないけど、可能性が低いから、あるいは合理的な説明ができないから、提案はやめておこう」といった案であっても、まずテストしてしまえばいい。むしろ今後の勝ちパターン・・・計画外の購買行動を引き起こす『売れるロジック』は、予め合理的な説明のできない案の中に多く隠れている可能性の方が高い気がします。

つまり、前述ケビン・ロバーツ氏の言う「マーケッターは感性を重視するべきだ!」が正しいとすれば、マーケッターは『売れるロジックの見つけ方』を採用しない手はないですよね。

山本:物事を証明する手段としてLPOというツールはすごく優秀です。それについては意外に知られていないので、この本をきっかけにして実際にLPOを活用するマーケッターが増えるといいなと思います。理論は検証の後から出てくるものなので、「ピンと来たから」というような理論外の提案は理論的な説明ができなくてしづらかったと思うのですが、これからはLPOで試してみて、リスクなく結果を見ることができます。そうして実績を重ねていくことで理論構築の速度も増していくと思います。

後藤:とは言うものの、仮説と言うのは実際には無限にあるわけで、従来の検証の仕組みにはリスクやコストが付き物だったので、マーケッターの勘というのは、実際には検証項目を絞ることや、予め検証の幅そのものを狭めるため(無駄な?検証を減らすため)に用いられて来たとも言えます。
しかしケビン・ロバーツ氏が主張するように、「理屈や情報に左右されない価値を追求することが必要で、感性を重視すべき!」とするなら、従来のマーケッターの勘の使われ方というのは全くその真逆。逆に私たちのアイデア『売れるロジックの見つけ方』においてマーケッターの勘は、検証項目を増やすことや、検証の幅そのものを広げるためにこそ活かされるべき!としています。

そんなことが言えるのは、私たちが推奨するLPOを活用した検証の仕組みが、従来の仕組みに比べるとは遥かに合理的であるにも関わらず、コストやリスクを殆ど伴わない。しかも山本さんが開発したLPOツールにおいては、その小さなリスクを更に極限まで最小化させる・・・データサイエンティストならではのアイデアが盛り込まれているからです

他方、いくら「感性を重視すべき時代」とは言っても、広告だけでなく、開発から製造・流通までで考えると莫大な費用が動くビジネスに対し、「専門家としての経験的勘から考えて、このAかBのどちらかですから、取り敢えず両方共やってみましょう」では・・・投資額のほぼ半分?がリスク!ということになりますから、言い換えればギャンブルのようなもので・・・提案する側もですが、それ受ける側も中々厳しいと思います。

それに比べて、私たちのアイデアでは、「この仕組みにより、専門家としての経験と勘から考え得る全ての理性的で論理的な購買意志決定プロセスと、同じく全ての衝動的で直観的な購買意志決定プロセス・・・あるいはそれらの組み合わせについても、低リスクで検証可能ですから、その検証を経た後に、検証済の最適ロジックを、コストを伴う実施プランにおいて展開させましょう!」とできますから、提案先からは大分違う反応が得られるはずです。

(次回に続く)

後藤一喜(ごとう・かずよし)
株式会社B2B2C 代表取締役・アカウントプランナー

1957年東京生まれ。講談社ホットドッグ・プレス編集部、カタログハウスを経て、1990年より電通ワンダーマン、企画推進部部長、クリエーティブ部部長、執行役員を歴任。2007年に、B2B2Cを設立。

山本 覚(やまもと さとる)
データアーティスト株式会社 代表取締役社長

1982年、埼玉県生まれ。2005年に慶應義塾大学応用化学科を修了、2009年に東京大学大学院物理学専攻修士課程を卒業、2011年に東京大学大学院技術経営戦略学専攻を退学し、アイオイクス株式会社に入社。プロダクトマネージャーなどを経て、2013年にデータアーティストの設立に参画し、現職。

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