コラム

宣伝部の変革と復権-次世代マーケティング部への機能再編-

3rdパーティデータとしてのTV視聴データが流通する—業界人間ベム「2015年広告業界7つの予測」から

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Netflixの上陸でとテレビメディアの進化

また、アメリカで拡大しているテレビのアドレッサブル広告のようなものをケーブルテレビ系も考えてもいいようにも思う。ただそうした努力は実はもう今からやっても遅いかもしれない。テレビが完全にネット接続されるデジタルデバイスになるからだ。

Netflixが上陸してくるにあたって、これでテレビ端末がネットに接続されることが完全に常識になる。その象徴がNetflixボタンであって、彼らが日本市場で成功するかどうかは別にして、分かりやすいボタンが設置されることに実に大きな意味がある。
Netflixの制作したドラマが一度も放送(Broadcast)されていないのにエミー賞をとったことは有名だが、視聴者にとっては放送も通信も手段でしかなく、テレビが完全に双方向性、双作用性をもつようになれば、もうテレビ広告もネット広告もない。

ついでにコメントするとテレビ局の言う「見逃し視聴」というワードはやめた方がいい。「見逃している」という感覚は、いまだに放送局側が視聴者を特定の時間にテレビの前に(まだお茶の間という人がいることに笑うが)座らせらせることが、できるという発想に起因している。とうの昔に番組編成権は視聴者側にある。主導権は完全に視聴者にあり、タイムシフト視聴、録画再生視聴などが当然のスタイルだ。リアルタイム視聴において視聴率が高い番組をオンデマンドに出しても、それが必ずネットユーザーのアクティブな視聴行為の選択に叶うわけではない。録画予約率が高い番組など、積極的な選択の対象になる番組コンテンツとか何かを研究しないと、テレビ番組のコンテンツだからネットでも必ず大きな需要があると考えるのは早計である。テレビのチャンネルは限られているが、ネットの世界の動画は無限大だ。ネットユーザーの可処分時間を取り合う競合コンテンツも無限にある。

増大するビデオストリーム
オンラインビデオを取り巻くプラットフォームは様々に

アメリカでは一部でテレビスポット広告がアクチャル保証されている。その際、未達成だった場合の補填を放送CMでするかオンラインCMで行うかは「お任せ」という手法まである。そもそもアメリカではNetflixのおかげでテレビ視聴率が大きく下がって一番困っているのは広告主だ。目標の投下量を達成できなくて、必死でオンラインビデオのインベントリー獲得に走っている。
でも日本はアメリカとは違うという考えが大勢を占めている。日本のテレビは全米ネットワークのテレビ放送のようには視聴率は落ちてはいない。

しかし、おそらく日本でも、テレビCMの効果に関して、特定の層においては到達が難しくなったり、昔に比べて認知は取れるが、態度変容を起こすまでに至らないという問題や、ターゲットごとの文脈にクリエイティブを最適化できないことの課題が表面化するだろう。
テレビ視聴データをDMPにおける3rdPartyデータとしてマーケティング活用するデータ群の中の重要なものであるという認識をまずは広告主企業側に必要である。
特にテレビ広告に多額の投資をしている企業はなおさらだろう。


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