1秒単位の攻防 何度も試したくなるサービスに
ユーザーが、ぽすくまに画像を送ってから、年賀状が作成されるまでの時間は、わずか3〜5秒だ。その間に実際に送付できるレベルのデザインができあがる驚き、そして同じ画像を送っても毎回違うデザインが出てくる面白さ─。何回も年賀状づくりを試したくなる仕掛けがユーザーを惹きつけた。
「年賀状が生成されるまで10秒待たされたら、ユーザーはもう1回試したいとは思わない。5秒以内に表示ができるよう仕組みを整えました」と飯野社長は振り返る。
制作スタッフには、ユーザーが快適にサービスを使えるようプログラムを組むテクニカルディレクターや、サーバーの安定運用を専任で担当するエンジニアも配置。通常のキャンペーンで使用する約20倍となる200台のサーバーを用意し、400万近いアクセスの集中に対応できる体制を組んだ。
「ぽすくまが数秒で作ったデザインと同様のものを、年賀状のデザインキットを使って作ろうとすると、実は手間がかかります」。そう指摘するのは、クリエイティブのディレクションを担った大西貴之氏。
画像の色を調整したり、加工したり、顔認識をしたりと、同サービスの裏側では、実は高度な画像処理技術が駆使されている。
「年賀状を送らない理由を聞いたある調査では、送る習慣がないだけでなく、作成するのが面倒くさいという回答が一定数ありました。画像の送付のみで本格的な年賀状ができてしまう仕組みで、作成の敷居を下げ、年賀状づくりを楽しく体験してもらうことを目指しました」と大西氏。
デザインは、クスッと笑えて、人に話したくなるようなものを用意。ユーザーは画像を何度も送付し、年賀状デザインを見比べるうち、ぽすくまから「印刷注文もできるよ」と促され、購入を検討し始めたのだ。
今回は年賀状に触れる機会を促す施策だったが、LINEビジネスコネクトを活用すれば、さまざまな角度から、商品やサービスの体験を促せると、大西氏は見ている。
「例えば、顔写真や動画を送ってもらい、好みのメガネを試してもらう、肌の色や口角を認識して美容品を勧める、位置情報を使って店舗に近づいたときに情報を送るなど、幅広い施策が試せるのでは」と大西氏。
CONNECTITでは、同社が持つ技術力、クリエイティブ力を生かし、体験を促す販促施策の提案を今後も行っていきたい考えだ。
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