課題の設定で周囲の巻き込み方が変わる!? 代官山蔦屋書店で「クラウドファンディング」のトークイベント実施

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6月1日、DAIKANYAMA T-SITE GARDEN GALLERYにて、「社会のためにできること〜クラウドファンディングとコミュニケーションデザイン〜」をテーマにしたトークショーと写真展が行われた。主催は、GREEN FUNDING(ワンモア)と、T-VENTURE PROGRAM(T-MEDIAホールディングス)。

T-VENTURE PROGRAMは、CCCグループがベンチャー企業に提供するパートナーシップ&支援プログラムで、GREEN FUNDINGは、このプログラムの第1回で優秀賞を獲得している。

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左から、GREENFUNDING 代表の沼田健彦氏、Teach For Japan代表の松田悠介氏、グッド・エイジング・エールズ代表の松中権氏、電通 コピーライター/プランナーの銭谷侑氏。
会場には、今年2月にクラウドファンディングによって支持が集まって実施された写真展「“好き”に変はない展」の写真や、5年間で1 万人のLGBTポートレート撮影を目指すカミングアウト・フォト・プロジェクト「OUT IN JAPAN  あなたの輝く姿が、つぎの誰かの勇気となる。」の写真も展示された。

トークショーに登壇したのは、認定特定非営利活動法人Teach For Japan代表の松田悠介氏、NPO法人グッド・エイジング・エールズ代表の松中権氏、そして電通 コピーライター/プランナーの銭谷侑氏の3名。モデレーターをGREENFUNDING 代表の沼田健彦氏が務めた。

パネラーの3人は、クラウドファンディングを活用してプロジェクトを成功させた経験を踏まえ、どのようにメッセージを伝えれば、周囲だけでなく多くの人を巻き込むことができるのかといったことについて語った。

貧困などの事情によって、教育課題を抱える地域に講師を派遣して、学習習慣を定着させる活動をしているTeach For Japanは、新年度に講師を派遣する前、合宿研修を行っているが、今回クラウドファンディングによってその一部を調達することに成功した。

松田氏は「金額は3000円から30万まで幅広いのですが、その金額を支払うことのリターンとしては、付加価値があるものを用意しました。低額なものはステッカー、クリアファイルといったもので、高額になると先生からの手紙などです。高額な支援については、すでに協力している人や理解の深い人が多く、リターンを目的というよりも、活動を応援したいという人が多かった。今回のことで、自分たちの活動が社会からどう見られているのか、という第三者の視点で分析するきっかけになった。今後は、プロジェクトに共感して参加してくださった方との定期的なコミュニケーションを行うことで、支持の輪を広げたい」と話した。

セクシャルマイノリティーに対する偏見を越え、自らのセクシュアリティに引け目を感じない社会に向けての活動を行うグッド・エイジング・エールズでは、原宿に、LGBTが集うコミュニティースペースを作るというプロジェクトでクラウドファンディングを活用。

松中氏は「セクシャルマイノリティは7.6%いるといわれている。多くの人を巻き込んで、支持を得るには、この7.6%の人に何をするかではなく、それ以外の92.4%の人に、どうすれば仲間になってもらえるのか、という考え方をしなければいけない。また、大上段からではなく、例えば1人のマイノリティの人が、それをカミングアウトするまでなど、個人のストーリーを伝える方が、伝わりやすい」と述べた。

三陸鉄道「全線復旧キャンペーン」や、日本セクシャルマイノリティ協会「”好き”に変はない展」などを手掛けた、電通のコピーライター銭谷氏は、「自身の経験から、クラウドファンディングは、大きな課題を設定したほうがいいと感じている。最近は企業も活用しているが、いち企業だけの課題だと、巻き込める量は知れている。課題を社会全体にすることで、多くの人の共感を得られる。また、最先端の社会課題に向き合っていくと、それが自然とビジネスを生んでいく。あとは、それをどう見せるかというところにクリエイティブが必要となる。さらに活動を大きくしていくためには、企業を巻き込むことが欠かせないので、そのためにもクラウドファンディングでしっかり人が動いているということを可視化しなければならない」と話した。

多くのプロジェクトを見てきた沼田氏は、「何をリターンにすれば参加を促せるかという問い合わせも良く受けるが、そこから入ってしまうとうまくいかない。まず、どんなプロジェクトなのかということと、そのプロジェクトの“共感ポイント”がどこにあるのかを考えて明確にする必要がある。一方で起案者がクラウドファンディングの新しい形をどんどん提案している状態でもある」と今後の可能性について語った。

会場からは、プロジェクト実施後のコミュニケーションなどについての質問もなされるなど、クラウドファンディングに対する来場社の関心の高さが伺えるトークショーとなった。


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