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コラム

CSR視点で広報を考える

あなたの会社がもしも、スキャンダルに直面したらどうしますか?~『リスクの神様』監修者が語るドラマの見所、危機管理・広報(3)

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第3話の見所・キーポイント——何かを守るには何かを捨てる覚悟がいる

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西行寺は、究極の選択として、2つの事件の影響度を比較した場合、CMに抜擢したトップアイドル北条ちなみのタレント生命が終わり、サンライズ物産の企業広告もお蔵入りしたとしても、サンライズ物産と代議士との不適切な関係が発覚した場合の影響を考慮すれば、北条ちなみを犠牲にしてでも代議士の危機を守り抜く決意を早い段階から固めていた。

脅迫してきた記者に口止め料を払い、北条ちなみを一度は守ったかに見えた西行寺だが、代議士に対する説得、代議士の記者会見を見計らっての時間かせぎ、さらには絶妙なタイミングでの北条ちなみに関するマスコミへの情報リークは、すべて最高の演出を行うための西行寺の戦略(ミッション)の一部だった。彼には最初の段階から脅迫した記者を黙らせても、いずれ他の記者によって事実関係は発覚し、タイミングを逸すれば北条ちなみは捨て石の価値すらなくなることを予測していたはずだ。ここでも西行寺は「危機をチャンス」に転じることに成功した。

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危機対策はいわば将棋の盤面に似ている。その瞬間瞬間は打てる一手に限りがあるが、何十手も先の展開を見通す場合、相手の出方で盤面の変化は多様となり、打つ手の数は想像を超える。西行寺は起こりえるあらゆる現象を予測し、最善の対策を講じるために、最高のオペレーションの実施時期を密かに図っていた。

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