テレビの次のテレビを、テレビが考えるべき時が来ている。

【前回記事】「戦国時代か、カンブリア爆発か。VODサービスが次々登場して追いつけない件について」はこちら

チャンネル権ではなくテレビの使用方法を争う

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画像提供:Shutterstock

先日、ある集まりがあって、10名ぐらいの若い人たちに「皆さんテレビは持ってますか?」と聞いたら、一人だけ「持ってません」と答えました。その場は、テレビに関係する議論をする会だったので、それはいけませんねと言ったら彼が慌てて「あ、でもテレビ見てます、アメトークとか大好きです。これで見てますんで」と、スマホを指しながら言うのです。

大っぴらに言いにくいけど書いてしまいますが、YouTubeで誰かがアップしたテレビ番組を見ているようです。面白いなあと思ったのは、彼がスマホを手に「テレビ見てます」と言ったこと。もちろん、スマホでテレビ番組を見ている、という意味ですが、あたかもスマホのことをテレビと言っているようにも受け取れるのが興味深いなあと思ったわけです。

「テレビ」とは、テレビ局がテレビ番組をテレビ受像機に送り出すシステムについての言葉ですが、なんだかいま、その意味がわからなくなっています。少なくとも、「テレビ」という言葉を使う時にそれがテレビ局のことなのか、番組を指しているのか、受像機を言っているのかはっきりさせないと話が見えなくなりかねません。そんなややこしい時代状況というものがいま、起こっているのです。

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境 治(コピーライター/メディアコンサルタント)
境 治(コピーライター/メディアコンサルタント)

1962年福岡市生まれ。1987年東京大学卒業後、広告会社I&S(現I&SBBDO)に入社しコピーライターに。その後、フリーランスとして活動したあとロボット、ビデオプロモーションに勤務。2013年から再びフリーランスに。有料WEBマガジン「テレビとネットの横断業界誌 Media Border」を発刊し、テレビとネットの最新情報を配信している。著書『拡張するテレビ ― 広告と動画とコンテンツビジネスの未来―』 株式会社エム・データ顧問研究員。

境 治(コピーライター/メディアコンサルタント)

1962年福岡市生まれ。1987年東京大学卒業後、広告会社I&S(現I&SBBDO)に入社しコピーライターに。その後、フリーランスとして活動したあとロボット、ビデオプロモーションに勤務。2013年から再びフリーランスに。有料WEBマガジン「テレビとネットの横断業界誌 Media Border」を発刊し、テレビとネットの最新情報を配信している。著書『拡張するテレビ ― 広告と動画とコンテンツビジネスの未来―』 株式会社エム・データ顧問研究員。

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