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「PRらしさ」って何だろう?ヤングカンヌPR部門、国内戦の勝ち抜き方・世界戦の戦い方

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予選は書き込み、本選は書き込まない

左から村石健太郎さん、石川達也さん。

本田:今年のエントリー者に向けたアドバイスや、具体的なノウハウがあったら教えてください。

村石:日本代表戦は、一次審査が企画書提出のみなので、伝えたいことはすべて盛り込むほうがいいと思います。企画審査で通らないと残念ですからね。逆に、ヤングカンヌの本戦は、全員プレゼンすることが前提です。企画の提出期限がプレゼン前日の20時で、翌日のお昼ごろにプレゼン本番なので、提出してからもまだ12時間以上時間があるんです。

石川:だから本戦の企画書は、文字の書き込みはほとんどなくしました。提出後にも企画の言い方を考える時間があるので、プレゼンでどう話してもいいように余白を持たせる、という戦略です。本戦では、課題が出てからプレゼン本番までの2泊3日、寝てないです。時間ぎりぎりまで詰めていました。

代表になってから、仕事への関わり方が変わった

ヤングカンヌ本戦で敗北を喫し、土下座する2人。

村石:考える時間の最後のほうって、「もうこれでいいっしょ!」となりがちだと思うのですが、そういう時に最後の最後まで詰められる人がファイナリストになったり、いい結果につながったりすると思うんです。僕はフリーランスなので特に顕著ですが、昨年ヤングカンヌPR部門の日本代表になって以降、仕事が増えたり、仕事への関わり方が変わったりして、改めて「ヤングカンヌって若手にとってものすごいチャンスだな」と思いました。最後の詰めが、自分の将来につながる可能性があるので、時間ぎりぎりまで、資料の最後の一文字まで、自分たちの納得したものになるように頑張ったほうがいいと思います!

石川:ヤングカンヌに出る前って、ある種、誰からも期待されない存在というか。だからずっと、プランニングは自分と戦う作業で、自分でプレッシャーをかけていました。でもヤングカンヌ後は、紹介のされ方が変わるし、期待してもらえるように変わりました。自分だけでなく、周りからの期待値もプレッシャーになるようになって、でもそれが刺激となって、いいものつくらなきゃというモチベーションにつながっています。というか、変な企画を出せないし、出さない。そういう自分の変化や成長にも、ヤングカンヌってつながっていると思います。

本田:若い人にとって、本当にやりがいある、いいチャレンジの機会になっているというわけだね。お二人には昨年の日本代表として、今年のチャレンジャーたちを迎え撃ってほしいと思います。ありがとうございました。
(聞き手:伊澤佑美)

村石健太郎(むらいし・けんたろう)

1990年生まれ。フリーランスのプランナー。3Dプリンタから炭酸ガスの発射まで、泥臭い現場仕事から企画職に。「神は現場に宿る」と信じ、フィニッシュワークまで手を抜かないクリエイティブを行う。

 

石川達也(いしかわ・たつや)

1989年生まれ。Planner。GROUNDにて学んだ後、2013年渡英。自らクライアントを開拓し、数々のスモールビジネスのブランディングを行う。帰国後、フリーランスとして活動を開始。

 

本田哲也(ほんだ・てつや)

ブルーカレント・ジャパン 代表取締役社長/CEO
1970年生まれ。戦略PRプランナー。 米フライシュマン・ヒラード上級副社長兼シニアパートナー。「世界でもっとも影響力のあるPRプロフェッショナル300人」に、PRWEEK誌によって選出された日本を代表するPR専門家。2009年に『戦略PR』(アスキー新書)を上梓し、広告業界にPRブームを巻き起こす。2014年7月に刊行した『広告やメディアで人を動かそうとするのは、もうあきらめなさい。』(LINE株式会社 上級執行役員 田端信太郎氏との共著)は発売2カ月で5万部を超えるベストセラーに。2015年から公益社団法人日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)マーケティング委員。アドテックトーキョー、カンヌライオンズ2015公式スピーカー。スパイクスアジア2015 PR部門審査員。世界的なアワード『PRWeek Awards 2015』で「PR Professional of the Year」を受賞。
国内外の大手顧客に、戦略PRの実績多数。戦略PR/マーケティング関連の著作、講演実績多数。


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